環境とは,ある与えられたシステムについて,システムの外部にあるすべての要素の集合であり,①その属性の変化がシステムに影響を及ぼし,②システムの動作によって,その属性が影響を受けるものである.ある要素がどの場合にシステムに属し,どの場合に環境に属するかの境界線は,全く,し意的なものである.つまり,そのシステムを定義づけようとする人の,興味と目的によって違ってくる.理想的には,環境はシステムに影響を与えるすべての事物だけに限定して考察を進めることが一般化している.環境からシステムへは,所与の制約として,操作不可能なインプット(時には外乱)が与えられる.システムの理想像である環境変化に順応しつつ,常に最適性を保つような適応システムの設計に当たっては,環境の時系列変化に関するスタディが特に大切である.ときには環境に対して積極的に働きかけを行って,システム目標達成のためにより良い状態へ変容させることも考慮すべきである.