固有モードを用いて，多自由度系を複数の1自由度系に変換して，振動などの動的な挙動を解析する方法をいう．多自由度系が有する複数の固有モードは，互いにエネルギー的に独立している．このことを固有モードの直交性という．固有モードは直交性を有するために，それを基準とした座標系を形成することができ，これをモード座標という．空間の変位をモード座標で表現すれば，多自由度系の運動方程式が非連成になり，複数の1自由度系の運動方程式に変換される．これらを互いに独立に解いて解を重ね合せるだけで，多自由度系の振動を容易に知ることができる．機械系の振動解析では，振動数の低い低次固有モードだけを採用し，高次固有モードを省略することにより，解析をさらに簡単にすることができる．