質量に状態の変化すなわち加速度を生ずる原因を力といい,ニュートンの第二法則として,力=質量×加速度で定義される.1kgの質量に1(m/s2)の加速度を生ずる力の大きさが1(ニュートン,N)であり,力の単位量になる.二つ以上の力が同時に作用するときの効果と同一の効果を生ずる一つの力を,それらの合力という.合力を求める作業を力の合成という.物体上の点Oからrだけ離れた点に力Fが作用するとき,この力は,点Oを通り二つのベクトルrとFで形成される平面に垂直な軸の回りに,物体を回転させる作用をする.この作用を力のモーメントといい,回転軸方向のベクトルM=r×Fで表す.1点Oに二つ以上の力F1, F2, F3,……Fnが作用するとき,まず点Oを始点としてベクトルF1を書く.次にF1の終点を始点としてベクトルF2を書く.この操作をベクトルFnまで繰返す.点Oを始点としFnの終点を終点とするベクトルは,すべての力の合力になる.この合力を書き加えれば,これら力ベクトルの連なりは閉じて多角形を形成する.これを力の多角形という.もしFnの終点が点Oに一致すれば,この合力ベクトルは長さが零となり,力の多角形は合力ベクトルなしで閉じる.このとき,点Oに作用するすべての力は釣合っている,という.