物理量が,基準値に比べ,より大とより小の場合を交互に反復するのを振動的といい,その系は質量(慣)性と復元(弾)性を兼備して,両要素の間をエネルギーが往復する作用が(自由)振動現象の基本形態である.数学モデルは周期関数であり,その周期を振動の周期,周期の逆数を振動数といい,時間(一般に独立変数)に関して周期ごとに全く同じ状態が発生しそれが反復される.周期解を与えるもっとも簡単で基本的な方程式はd2x/dt2+x=0で第一項は慣性効果,第二項は復元効果を表す.この一般解x=Acost+Bsint,(A,B:任意定数)は単弦運動を表し,振り子の微小振動はこの問題に帰着される.これを基本として,現実には不可避の摩擦のため振動が次第に減衰する減衰自由振動は周期関数と単調減少関数の積となり,外部から積極的な周期的刺激が作用する強制振動は過渡振動と定常振動の和になる.多くの自由度を有する場合は多自由度系の(自由,強制)振動であり,線形微分方程式でモデル化不可の場合は非線形振動になるなどの変化がある.振動問題は大略次のように分類される.①線形振動(1自由度,多自由度,連続体,自由振動,強制振動,定常振動,過渡振動,振動絶縁,音響,弾性波動).②衝撃.③非線形振動.④自励振動.⑤不規則振動.⑥熱・流体関連振動.⑦往復機械.⑧回転機械.⑨耐震設計.⑩数値解法/計算(機援用)力学.