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自由度

degree of freedom

物体の運動を表すにはいくつかの座標が必要であり,その系において物体の運動を拘束するような条件がなければ,それらの座標はお互いに独立である.このような独立座標の数をその自由度という.もし,その系において物体の運動を拘束するような条件がある場合は,この物体の運動を表すのに必要な座標の間に何らかの従属関係が存在し,独立座標の数は拘束条件の数だけ少なくなる.したがって,このような系の自由度は座標の数から拘束条件の数を差引いた数に等しくなる.図のような一平面内で振動する二重振り子の系を考えよう.いま直角座標xyをとると,この系の質量m1m2の物体の運動を表すのにx1x2y1y2の四つの座標が必要となる.しかし物体の運動は次の二つの条件によって拘束される.\[x_1^2 + y_1^2 = l_1^2,{\left( {{x_2} - {x_1}} \right)^2} + {\left( {{y_2} - {y_1}} \right)^2} = l_2^2\]したがって,この系の自由度は2となる.また,自由度が2ということは,この系の物体の運動が二つの独立座標で表現できるということである.いま,二つの新しい独立座標θ1θ2を選ぶと,x1x2y1y2θ1θ2で表されることになる.
(10) ①n個の原子が一つの分子を構成するとする.この1分子の全自由度は3nであるが,これを分子の重心の並進運動(自由度3),重心のまわりの回転運動(直線分子:2,非直線分子:3),分子中の原子間の調和振動に分けて考えることができるが,各自由度の総和は3nである.古典統計力学では座標,運動量に関し,二乗の形の項の平均値は(1/2)kTとなる.これを等分配則という.並進,回転の運動では1自由度あたり1/2kT,調和振動子では運動エネルギー,位置エネルギーの和となるため1kTである.ここでkはボルツマン定数②相平衡においては平衡条件を満たした上で自由に変えうる変数の数を自由度という.相平衡では化学ポテンシャルが各相の間で等しいので圧力,温度,化学ポテンシャル,モル濃度分率のように分量によらない示強変数に対して,成分数がc,相がpの場合の自由度fは次式で与えられる.\[\begin{array}{l} f = \left( 変数の数 \right) - \left( 束ばく条件の数 \right)\\ \quad = 〔 {2 + \left( {c - 1} \right) \times p} 〕 - \left( {p - 1} \right) \times c\\ \quad = 2 + c - p \end{array}\] 

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13/1005549.txt · 最終更新: 2023/02/17 11:32 by 127.0.0.1