我が国における自動車排出ガス規制としては,1966年,ガソリン車の排出ガス中に含まれるCO濃度を3%以下に抑える「41年規制」が初めて実施された.その後,環境の悪化により規制の強化が要望され,1973年には「48年規制」としてCOに加えてHC,NOxが規制されたほか,ブローバイガスおよび蒸散ガスについても規制された.1971年に環境庁が発足し,アメリカで成立したマスキー法と同等の「53年規制」が実施された.ガソリン自動車の規制に引続きディーゼル車への規制が行われ「54年規制」が成立された.さらに1989年,中央公害審議会より今後10年程度を見通してディーゼル車などのNOxおよびPMの大幅低減を盛り込んだ「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方」についての答申が環境庁に提出され,大都市地域における特別措置法である自動車NOx総量削減法が1992年に公布された.ガソリン・LPGの中量および重量のトラック・バスの新車に対しては「平成6・7年規制」が決定された.走行モードは使用実態に合うように見直され,現10モードに高速モードが追加され,現6モードは低速走行を重視したモードに変更され,すべての車種について従来の濃度規制(ppm)から重量規制(g/kWh)に変更された.