熱を機械的仕事に変える熱機関には多くの種類が考えられるが，作動流体に熱を与える方法により，外燃機関と内燃機関とに分けられる．外燃機関では空気と燃料によって得た熱を第二の流体へ伝えて，それで出力を得るという作動であるが，内燃機関では燃焼によって得た流体を直接作動流体として使う．このため構造が簡単になり，重量が軽く，しかも高い効率を得ることができる．そこで，動力機関として多方面にわたって使用され，特に自動車・鉄道・船・航空機などの輸送動力として，小さなものから大きなものまで広く使用されている．これに含まれる機関は，ガソリンエンジン，ディーゼルエンジン，ジェットエンジン，ガスタービン，ロケットエンジンなどが含まれる．これらのうち，ガソリンエンジン，ディーゼルエンジンは容積形機関あるいは往復動機関(レシプロエンジン)に属し，後者のジェットエンジン，ガスタービン，ロケットエンジンは速度形機関に分類されている．