物質が固体から液体になる現象.一定圧力下で固体を加熱すると,温度の上昇とともに分子の熱振動が激しくなり,秩序性の高い固体結晶の分子配向,分子配列に乱れが生じ,やがてある一定の温度で等方的な液体の状態に移行する.このときの温度を融点Tf,吸収された熱量が融解熱ΔHfである.例えば,水について示される相図のAD線が固体と液体との共存する状態であり,両者のギブスエネルギーが等しいことより,圧力Pと温度Tの関係がクラペイロン・クラジウスの式dT/dp=Tf・(ΔV/ΔHf)によって与えられる.ここで,ΔVは融解の際の比体積の変化である.②fusion 化学分析操作において,不溶性物質を融剤とともに加熱して,可溶性物質に変える操作.