液状で産出する化石燃料で,原料用としても重要である.地下から採取されたままの石油を原油と呼び,それを精油所で分留,分解,混合の複雑なプロセスにかけて,ナフサ,ガソリン,灯油,軽油,重油,アスファルト,ピッチ,石油コークス,潤滑油などの石油製品に仕上げる.主成分は炭化水素であるが,硫黄分,窒素分,重金属が含まれ,大気汚染や腐食などの問題を起す.液体燃料の主力であるが,全資源の4分の3までが中東,北アメリカ,南アメリカに偏在しており,確認埋蔵量も7000億バーレル(1バーレルは約159リットル)余りで,豊富とはいえない.