放射が媒体中を進行する途中で吸収と散乱により減衰してゆく程度を表す係数.放射強度I0であったものが媒体中をx(m)進んだときの放射強度はI=I0exp(-βx)で表される.このβ(m-1)が減衰係数である.減衰係数は吸収係数と散乱係数の和である.機械の振動において減衰力が作用するとき,その減衰力を(係数)×(振動速度)で記述することが多い.この係数を減衰係数という.その値が振動の変位や速度に依存しないとき,その係数を粘性減衰係数という.一般には,減衰係数が振動の変位や速度に依存することがあり,その依存特性によっては機械振動がきわめて複雑になる.特に減衰係数が負になる場合は,振動系は不安定になるので,減衰係数が負になる条件より不安定振動の発生条件を求めることができる.