加圧を伴いながら接合しようとする部分にごく短時間大電流を流し,そこで発生する抵抗発熱を利用して行う溶接.溶接電流を流す期間はアーク溶接などよりかなり短く,他の溶接方法に比べて作業の高速化が図りやすいという利点を有する.また,加圧と加熱を同時に行うため,製品の寸法精度が確保しやすく,自動車車体や鉄道車両など薄板・小物分野での高能率な生産技術として不可欠な要素技術となっている.重ね抵抗溶接と突合せ抵抗溶接に大別され,一般には,棒状電極を用いるスポット溶接,先端平形電極を用いるプロジェクション溶接,ローラ電極を利用するシーム溶接は前者に,電極ダイでつかんだ2個の金属体を突合せて溶接するアプセット溶接やフラッシュ溶接,パイプの製造におもに利用される高周波抵抗溶接などは後者に分類される.しかし最近の工場では,プロジェクション溶接はナットやボルトの板への取付けにおもに利用され,シーム溶接もマッシュシーム溶接やバットシーム溶接に代表されるように突合せ溶接としての利用が無視できなくなってきている.溶接電流と電極加圧力,通電時間が三大溶接条件として重要視され,適正溶接条件域は溶接強度と散りや溶着発生の有無を判断して決められる.