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鋳造

casting

 材料加工法の一つで金属および合金を溶融状態で鋳型に注入し,凝固,冷却後鋳型より取出して製品とする.鋳造により得られたものを鋳物という.鋳造の歴史は古く古墳の出土品にも鋳物が存在する.最初は,開放型,次に合せ型,さらに中子を有する鋳造法が発達したと考えられている.鋳造に際しては溶湯の流動性不良,ガス,空気の巻込み,凝固収縮などにより鋳造欠陥が生じる場合がある.また,凝固時に肉厚の差などにより鋳造ひずみが生じる.健全な鋳物が得られるよう湯口,押湯等鋳込方法を検討するが,これにより決められた方法を鋳造方案という.鋳造に用いられる金属および合金には各種のものがあるが,流動性が良好で収縮量が小さいものが好ましいとされている.一般には液相と固相の共存する温度範囲(凝固温度範囲)がせまい組成が好ましいとされており,鋳造用合金として規格化されているものには,これに該当するものが多い.鋳造は他の材料加工法に比して製品の形状,組成,生産数量などに関して柔軟に対応しうる加工法であるとされている.通常の砂型鋳造のみでなく金型を用いたダイカスト,ろう型模型によるロストワックス鋳造,模型を鋳型中に残したまま注湯する消失模型鋳造などが普及し,需要の要求に応じて各種の鋳造品が生産される.

08/1008242.txt · 最終更新: 2017/07/19 08:48 by 127.0.0.1