複数の金属を接合する場合,それらの材料を溶融することなく,圧力を加えて接合することをいう.圧接の種類としては,ガス圧接,抵抗溶接,鍛接,冷間圧接,超音波溶接,電磁圧接,摩擦圧接などがある.一般には,圧接では前処理が必要で,接合直前に機械的または化学的方法で,接合表面の酸化皮膜や汚れを除去する.加圧方法としては圧延,プレス,電磁力,摩擦力などが用いられる.接合温度は接合材料,加圧手段によっても異なるが,ほとんど加熱しない場合から約870K程度まで上げる場合まである.圧延による圧接の実用例としては,ステンレスクラッド鋼,チタンクラッド鋼,アルミニウム合金のブレージング・シートやアルミニウムクラッド材の製造がある.めっきや,インサート金属を併用したもの,真空蒸着法や超音波を併用した半導体用のクラッド板の製造例もある.押出加工による圧接も行われている.摩擦圧接は少なくとも,どちらか一方が,丸い形状(管または丸棒)に適用され,同種または異種金属材料の接合に多用されている.