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機械状態監視資格認証事業

資格の必要性とメリット

 原子力発電設備については,安全確保を高めることを目的に新検査制度が2009年1月初旬に施行されます.当初は従来の13カ月運転とし,順次18カ月以内の運転に移る見込みです.24カ月以内の運転は,省令施行後5年をめどに認める予定です.

ここで重要なのは,状態監視データに基づいた保全プログラムを策定して国の審査を受けなければならないことです.保全プログラムとは,機器の運転中の振動等の状態監視や配管の肉厚検査等を行い,そのデータに基づいた分解点検/部品交換の保全計画のことです.

事業者の保守管理は,2007年に保守管理規定(JEAC4209)に規定され,設備診断に関する技術指針として回転機械振動診断技術について電気技術指針(JEAG4221(1))が制定されました.
その指針の中には,「回転機械の振動測定者の力量用件として,ISO機械状態監視診断技術者(振動)カテゴリI以上又は機械保全技能士(設備診断作業)二級以上の資格を保有する者は,適切な力量要件を満たしているものとみなしてよい.評価者の力量要件として,ISO機械状態監視診断技術者(振動)カテゴリⅡ以上又は機械保全技能士(設備診断作業)一級以上の資格を保有する者は,適切な力量要件を満たしているものとみなしてよい.」と書かれており,必要資格が明記されています.

潤滑油診断技術と赤外線サーモグラフィー診断技術も近いうちに発行され資格が明記されると考えられます.  以上のように,検査の品質を高く保証するために,ますます技術者に資格を要求する動きにあります.つまり,技術者が資格を持っていなければ,仕事の受注ができなくなる動きが,設計・溶接等の製造・分解点検時の亀裂検査等のみならず状態監視診断業務まで拡大されてきています.今後,火力発電設備等についても拡大されていくと考えられます.


図 新検査制度による定期検査間隔の変更

資格のメリットは,以下の事項があります.

  • 技術の品質が保障される
  • 技術レベルの目安となり技術継承の物差しとなる
  • 発注先の選定条件として使用できる
  • 国内外の仕事の受注につながる
  • 国内外での議論の場で優位に立てる (診断結果やその評価についての主張が通り業務が効率よく進む.)

(1)    原子力発電所の設備診断に関する技術指針-回転機械振動診断技術,日本電気協会,JEAG 4221-2007,2007年