資格について
ISO18436-4準拠
機械状態監視診断技術者(トライボロジー)
資格認証の概要
本資格認証は、ISOTC108/SC5「機械の状態監視および診断」で策定中の「トライボロジーに基づく」機械の診断」(ISO14830)および「トライボロジーに基づく診断技術の訓練認証」(ISO18436-4)に準拠するものです。
a 資格認証制度の趣意
Jost Reportに見られるように生産コスト、メンテナンスコストに対するトライボロジーの貢献度はきわめて大きいといえます。しかし工場における潤滑技術、潤滑管理に携わる担当者の方々の業務は、工場全体の生産性、メンテナンスの経済性にまで立ち至っていないのが実態であります。
一方、近年の経済環境の急激な変化の中で、メンテナンスコストの低減、メンテナンス担当者の削減、あるいはメンテナンス業務のアウトソーシング化が指向され、ともすれば潤滑技術、潤滑管理、トライボロジーの重要性が軽視される傾向にあり、そのことが重大な故障や事故の原因となっていることが危惧されます。
このような状況下において、他に潤滑技術、潤滑管理に限定されることなく、メンテナンストライボロジーの観点から、積極的にメンテナンス全般に関われる、幅広い知識を有する技術者を訓練、育成し、資格を認証することが、この業務を担当する技術者の社会的な認知度の向上とともに、幅広い活動の場を創生するものと考えられます。また、従来潤滑技術、潤滑管理技術、あるいはトライボロジーに関心を示さなかったメンテナンス技術者にメンテナンストライボロジーの分野に進出する機会を提供するものと考えられます。
b 資格の必要性とメリット
資格は何を引き出すか?
→企業の海外進出支援
→国際相互認証への足掛かり
→設備保全、診断、予知技術の整備
→基盤となる技術の体系化促進
→技術の伝承・教育の見直し
→実務に即したデータベースの再構築
→究極は収益改善、環境負荷低減への寄与
企業としてのメリット
- 社会的にISO準拠でオーソライズされた資格保有者がメンテナンスを担当することで技術的な保証と責任体制が確立する
- 社内教育、ディーラー教育を“ISO”準拠の資格として実施できる
- 統一のテキスト方式を採用することで経費削減につながる
資格保有者のメリット
- ISO準拠の資格を保有するステータス、社会的信頼を得る
- 専門技術者として可能な仕事の範囲が広がる
- 外からの有資格者に対抗できる
c 各カテゴリーのレベル
◆カテゴリⅠ
決められた手順や機器、方法などを用いて次のことなどが適正に出来る技術者。
- 潤滑剤の給油(脂)の補充、点検管理および潤滑剤器具・装置の保守
- サンプリング機材の設置とサンプルの調整・採取・送付
- 可搬式潤滑油剤分析機器の操作・保守および生データのダウン/アップロード
◆カテゴリⅡ
潤滑油試験,サンプリング、摩耗粉分析などの試験結果の分類、解釈及び評価などの方法を確立し実施できる技術者。
また、潤滑油や関連機器類のトラブルシューティングに対して、適切な分析技術が採用できる。
さらに状態監視技術の重要性を理解し基本的な潤滑油及び機械の状態に関する適切な報告書の作成及び潤滑システムのどの改善の推奨ができる技術者レベルを目指す。
◆カテゴリⅢ
潤滑油管理や機械の状態監視診断について適切な機器の選定や、方法・手順の選定・確立ができるばかりでなく、結果についての適切な分析・解釈そして評価ができるレベルの技術者である。
特に機械状態監視についてはFMECA分析などが駆使でき,故障に対する影響力評価ができること。
さらに潤滑システムなどのパフォーマンス向上のための適切な推奨を提言できるなど高度な技術レベルを有する技術者を目指す。
トライボロジーパンフレット
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