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産業・化学機械と安全部門

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No.05-47 講習会「食品安全のための包装とその関連技術」

2005年6月10日 09:45 - 17:00

開催報告

概要

2000年頃よりBSE問題や偽装表示、異物混入などの食品の安全性に係わる様々な事件が多発し、「食の安全」に対する消費者の関心が高まって来ている。ひとたび食品の安全性が脅かされる事故が発生すれば、企業の存続に係わる自体につながりかねない状況で、食品業界の各社においては、安全に食品を製造するために必要な設備の改善や仕組み作りに取組んでいる。この様な状況の中で、食品製造の最終段階である包装技術は、食品の安全性を保証するに不可欠な工程で、確実な包装はもとより、異物検査や品質保証の仕組みが重要な技術課題となって来ている。


1.「異物検出技術とその最新動向」

アンリツ産機システム株式会社 開発本部 名田 延明 氏

アンリツ産機システム株式会社 開発本部 名田 延明 氏

食品の異物危害(物理的危害、生物学的危害、化学的危害)のうち、物理的危害(金属片、ガラス、石など)の検出技術にフォーカスし、多くの食品製造ラインで使用されている金属検出機とX線異物検出機に特化した講義であった。4mm以上のネジを検出できる異物検出器を設置しているラインで3mm以下のネジがそのライン設備に使用されている。この様に、異物検出機を設置したことで安心しているユーザーが散見されるが、異物を製造現場に持ち込まないことが異物混入対策として極めて重要であるという事を皮切りに、検出感度や検出精度についてわかり易く解説され、検査対象食品と異物の組み合わせによる検出限界を実例を交えて解説された。


2.「液体充填包装とヒートシール」

大成ラミック株式会社 常務取締役 R&D本部長 二瀬 克規 氏

大成ラミック株式会社 常務取締役 R&D本部長 二瀬 克規 氏
ゴミの減量化が出来るプラスチックフィルムを容器とした商品が増えている。その内容食品の安全性を確保するには、プラスチックフィルムを密封するヒートシール技術の信頼性向上が必須である。本講では、液体商品のヒートシール技術に関して、液体充填包装機械の仕組みとヒートシール部の発泡メカニズムの解説から始まり、ヒートシール不良の事例の説明、最適ヒートシール温度幅と充填物の温度の関係から言える生産速度の高速化の可能性やシール状態の評価指標をシール不良発生の実態に合った衝撃強度とすることによるフィルム厚の薄肉化、さらにはヒートシール技術を応用したフィルムのジョイント方法など、データを示してわかり易く解説された。


3.「食品製造・流通業におけるトレーサビリティの実現」

㈱日立製作所 保手濱 敦典 氏

㈱日立製作所 保手濱 敦典 氏

食品製造・流通におけるトレーサビリティについて,基本の解説から導入事例の紹介まで説明された.トレーサビリティシステムの検討のポイントとして,ねらい・範囲の設定,使用者に適したモデルの設計,実績(データ)収集システムの構築,現物と情報の一致化の検討,データベースの構築,という流れに即して解説された. 導入事例については,食肉・生鮮食品のトレーサビリティ,加工食品のトレーサビリティ,製品物流・在庫管理のトレーサビリティについて実際の例について,識別子の紹介や消費者へのインターネットによる生産者情報公開なども含め,興味深い紹介が行われた.


4.「HACCP構築の為のGMP/バリデーション」

NPO法人食品サニタリ技術協会 中谷 眞三 氏

NPO法人食品サニタリ技術協会 中谷 眞三 氏
食品の加工,製造における製品の安全・安心,衛生確保の推進のためのHACCP (Hazard Analysis Critical
Control Points)システムが 導入されているが,これが有効に機能しないが故の事故が発生している.HACCPスタディの必要条件の一つであるGMP (Good Manufacturing Practice)について解説がなされ,GMPに対応したエンジニアリングについてその役割,ポイントの講義があった.続いて設備のGMP対応を評価するためのバリデーションの重要性と遂行方法についての説明,最後に日本における 食品加工設備のサニタリー基準の構築,推進の必要性について指摘がなされた.

詳細

日付:
2005年6月10日
時間:
09:45 - 17:00
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