Menu

産業・化学機械と安全部門

イベントを読み込み中

« イベント一覧

  • このイベントは終了しました。

健康を支える食品と安全

2003年8月7日

開催報告

1.「アレルギー表示の意義と具体的方法」

財団法人食品産業産業センター企画調査部次長 太田裕見 氏

アレルギー食品の定義と具体的表示方法(JAS法と食品衛生法の関連付けの中で,消費期限,遺伝子組替え食品,保存方法)を示し, 特定原材料等の指定(卵,牛乳,小麦,蕎麦,落花生の5種と準ずるもの19種)に関連した症例を紹介し,表示方法の原則 (個別表示と一括表示)を解説された。また,アレルギー表示をするにあたり判断しにくい事例として,加工食品中の微量アレルギー物質 の取扱いに関するものとして,酵素,キャリーオーバー及び加工助剤,コンタミネーション,大豆油等が問題になることとJAS法では表示の 必要がないとされていた原材料があげられた。(微生物倍地には小麦,大豆,牛乳は使われていることが多い。) また,具体的表示事例として,①全てを記載している例,②アレルギー表示による全てを記載している例, ③重複するアレルギー物質を整理し表示した例を示した。最後に,企業におけるアレルギー表示への対応に触れ,若年層において 食物アレルギーを持つ子供達の数は10%に達していること,大手企業22社へのアンケートでは60%がアレルギー関連の問合せが 増加しており,対応窓口の充実と正確な対応の必要性を話された。


2.「安心して食べられる美味しい食品を家庭に届けるまで」

東京農工大学教授 部門運営委員工藤信之 氏

はじめに安心の逆の不安要因として,輸入野菜の残留農薬,BSE,農薬使用,偽装表示等をアンケート結果を使い挙げられた。 生産から市民の手元までの各段階別の問題点について具体例を紹介された。生産段階での事例として,輸入リンゴのカビ防腐剤塗布, 国産リンゴへの無登録発ガン性農薬使用,オレンジ栽培での除草剤使用・ポストハーベスト剤塗布(輸出時に腐らぬよう薬剤使用)など, 物流段階ではつくる側の機械・プロセスの安全は確保されているが,倫理が問題と指摘された。食品の量的確保のための農薬・殺虫剤使用, 遺伝子組替食品(対減農薬)の現状と関連問題の説明がなされた。また,専門のダイオキシンについて解説された。(ダイオキシン濃度は 徐々に減っていること。脂肪分の多い魚に蓄積されやすいこと。ベビーフォードが一番安全であることなど。)リサイクル問題は時間の 都合上割愛された。


3.「ポスターセッション/とクイズ・アンケート」

セッションは休憩時間を兼ね,出席者と部門関係者との交流の中で,前半の講演に関する質疑や情報交換に運営委員全員が対応した。 ポスターセッションのテーマは,前回を反省し,賞味期限,食品添加物,マヨネーズは何故腐りにくいかの3題とし,クイズ回答のヒント をより丁寧にした説明資料をつくり実施した。また,アンケートは前回と同じ設問とし,関心のあるテーマは, ①食の安全(ポストハーベスト農業,国内外の残留農薬基準等),②健康と医療,③安全(街づくり,交通機関,食品機械,医療器機ほか) でした。クイズは全員全問正解でした。 パネルセッション(司会:鈴木正昭氏,パネラー:太田裕見氏,工藤信之氏,大田昌平氏(四国化工機(株)専務取締役), 加渡いづみ氏(消費生活アドバイザー),佐田守弘氏(部門運営委員)): 食の安全確保について,つくる立場と食する立場から活動状況の紹介の後,会場との質疑が行われ,次いで,倫理の問題について討議が なされた。つくる立場からは,ISO9000に基づく内部監査,豆腐の無菌・無人製造プロセスの紹介。製造ラインの洗浄(こまめに洗うこと), パッキング方法による保存期間の差異,農薬による地下水汚染の防止や残留農薬の国際的取決めの必要性,添加物の少ないものにする努力 (消費者の協力が必要),トレーサビリティシステムの現状紹介等の話題提供があった。一方,消費者の立場から,徳島地域の食品安全 ウォッチャーによる食品の安全保証の仕組みづくり,国民の健康保護が最重要であること確認し,食品安全基本法施行による国の責務, 企業の責務として食品に関連する事項(食材,肥料・飼料・添加物,パッケージング機具・機材等)の見直しが求められていること。 HACCP,JASマークの認知度が低いので,それらにに対する啓発活動の必要性(前者の認知度24%,後者は70%),アレルギー物質を含む 食品の原材料表示(食品衛生法)への質疑などがあった。一方,倫理の問題では,消費者側から生産者の顔が見えるような情報提供の 必要なことが求められ,最後に,法を守るだけでは駄目で,人の道を外れることをしないことがまとめの言葉となった。セッションは, 台風上陸前日でしたが,参加者とパネラーとの交流が充分でき,和気藹々な雰囲気で終えた。

詳細

日付:
2003年8月7日
イベントカテゴリー: