No.07-92 講習会「流体力学基礎講座」開催報告書

東京理科大学 石川 仁

 2007 年 11 月 27 日 ( 火 ) , 28 日 ( 水 ) の二日間にわたり,“流体力学基礎講座”が東京理科大学 森戸記念館で開催されました.受講者数は,社会人 19 名(会員 10 名),学生 28 名(会員 4 名)の計47名でした.講師には,神奈川工科大学 石綿良三先生, 東京理科大学 山本 誠先生,工学院大学 飯田明由先生,宇宙航空研究開発機構 藤井孝蔵先生をお招きし,下記の題目で講義をしていただきました.流体力学の基礎から実験流体力学(EFD),数値流体力学(CFD)の最新動向までが聴講できる充実した内容でした.

第1日 (11 月 27 日 ( 火 ))
9:30 − 11:10 流体の性質と分類,流れの基礎 石綿良三先生
11:20 − 12:30 静止流体の力学 石綿良三先生
13:30 − 13:40 質問コーナー 石綿良三先生
13:40 − 15:00 準1次元流れ(連続の式,ベルヌーイの定理) 石綿良三先生
15:10 − 16:30 運動量の法則 石綿良三先生
16:30 − 16:50 質問コーナー 石綿良三先生
     
第2日 (11 月 28 日 ( 水 ))
9:30 − 11:00 管路設計 山本 誠 先生
11:10 − 11:50 管路設計演習 山本 誠 先生
11:50 − 12:00 質問コーナー 山本 誠 先生
13:00 − 14:30 実験流体力学(EFD)の最新動向 飯田明由 先生
14:30 − 14:50 質問コーナー 飯田明由 先生
15:00 − 16:30 数値流体力学(CFD)の最新動向 藤井孝蔵 先生
16:30 − 16:50 質問コーナー 藤井孝蔵 先生

 第1日目の石綿先生の講義では,「JSME テキストシリーズ流体力学」(http://www.jsme.or.jp/publish/txt05.htm) をテキストとして使用しました.石綿先生お手製の実験装置やPCソフトウェアを用いて,流体力学の基礎から運動量の法則までをわかりやすく講義していただきました.受講者からも「説明が丁寧でとてもよく理解できた」と好評でした.



写真1.石綿先生の講義風景

 第2日目午前中は,山本先生に管路設計についてのお話を,演習を交えて行っていただきました.「実務に近い内容で役に立つ」と好評でした.

 午後は,飯田先生に実験流体力学(EFD)の最新動向をお話して頂きました.流体計測に必要な実験装置の説明や,PIV,PTVの計測例,感圧塗料を使った最新の圧力測定法,までを解説していただきました.「現在,取り組んでいる研究・業務の参考になった」,と満足された受講者の方も多かったようです.

 講習会の最後は,藤井先生に数値流体力学(CFD)の最新動向についてお話しして頂きました.藤井先生がこれまで携わってこられたJAXAでの研究例をあげて,数値計算のデータ扱う際に注意しなければならないことやその際の心構え,などをお話しして頂きました.実例を踏まえた内容ということで, 受講者の方も真剣に聞き入っていました.



写真2.藤井先生の講義風景

表1.アンケート結果

参加者の年齢構成(%)

20才台

30才台

40才台

50才台

69

28

0

3


参加者の職種(%)

学生

研究開発

設計

営業

その他

54

13

18

5

10


参加の動機(%)

業務上必要

基礎知識の拡張

再確認・復習

その他

33

22

33

12


参加のきっかけ(%)

会告

Web

紹介

メーリングリスト

5

19

73

3


参加費について(%)

高い

やや高い

妥当

多少安い

安い

3

36

58

3

0


テキストについて(%)

良い

概ね良い

普通

若干悪い

悪い

36

33

26

5

0


理解度について(%)

かなり理解できた

概ね理解できた

あまり理解できなかった

殆ど理解できなかった

28

64

8

0


満足度について(%)

非常に満足

概ね満足

普通

多少不満

不満

21

65

11

3

0

 アンケート結果では,理解度,満足度ともに高い回答が得られ,受講者の皆様にとって有意義で満足いただけた講習会になったと思われます.テキストとして使用した「JSME テキストシリーズ流体力学」(http://www.jsme.or.jp/publish/txt05.htm)も「説明が丁寧に書かれており,図解も多くわかりやすい」と,大変評判でした.

 流体工学部門では,このような講習会を引き続き開催していく予定です.業務・研究で流体力学の知識が必要になった方,学校での授業の再確認を行いたい方,他の分野の方,などにはもってこいの講習会ですので,たくさんの皆様のご参加をお待ちしております.

 最後に,本講習会にご参加いただいた受講者の皆様,ご多忙中にも関わらず講演をお引き受け下さった講師の方々に厚く御礼申し上げます.

 

最終更新日2008.3.18

 

   サイトマップ