No.07-91 講習会「非定常流れの測定および数値解析の現状」の実施報告
法政大学 辻田星歩
2007年11月1日(木),2日(金)の2日間にわたって標記の講習会が日本機械学会の会議室において開催されました.
開催趣旨:
各種輸送機械やその原動機などの流体関連機械の開発の現状においては,定常データによる流体力学的性能の向上は限界に近づいてきており,更なる性能の向上を求めて非定常データを設計へ反映させる試みがなされつつある.本講習会では流体関連機械の研究分野で著名な講師の方々により,非定常流れの測定および数値解析に関する最新の研究および設計への応用事例などを紹介する.併せて非定常流れの測定機器および汎用CFDソフトの紹介を行う.
題目・講師 :
11月1日(木) |
9:30〜11:00 |
(講義)
「非定常流の測定法および非定常データの処理法」
飯田明由(工学院大学) |
11:10〜12:15 |
(展示機器に関するプレゼンテーション)
「非定常圧計測システム」
福井和平(三協インタナショナル(株))
「汎用熱流体解析プログラムSTAR-CD/STAR-CCM+による非定常計算の紹介」
島田正仁((株)シーディー・アダプコ・ジャパン) |
12:15〜13:50 |
(昼休み,展示機器のデモンストレーション)
(展示内容)
「Kulite圧力センサ(非定常圧計測用小型圧力センサ)
Datatelテレメータ(タービン,ターボ機械など回転体計測装置)」三協インタナショナル(株)
「STAR-CD,STAR-CCM+」(株)シーディー・アダプコ・ジャパン
「FINE/Turbo」 (株)ヴァイナス
「PIVシステムおよびレーザー・イメージング計測統合ソフトウェアKoncerto」西華産業(株) |
13:50〜15:20 |
(講義)
「自動車関連の非定常乱流解析の現状」
稲垣昌英((株)豊田中央研究所) |
15:30〜17:00 |
(講義)
「圧力測定による自動車車体周りの流れの研究」
高木通俊(東海大学) |
|
|
11月2日(金) |
|
9:30〜11:00 |
(講義)
「実験・CFD融合によるターボ機械内の流れの非定常性解明(特に空力性能向上の可能性について)」
船崎健一(岩手大学) |
11:10〜12:15 |
(展示機器に関するプレゼンテーション)
「PIVシステムの紹介,PIVによる非定常流れの計測」
安木政史(西華産業(株))
「ターボ機械CFD設計性能評価におけるNon Linear Harmonic法を用いた非定常解析」
澤芳幸((株)ヴァイナス) |
12:15〜13:50 |
(昼休み,展示機器のデモンストレーション(展示内容は1日目と同じ)) |
13:50〜15:20 |
(講義)
「ターボ機械内における非定常流動現象の数値解析の現状」
古川雅人(九州大学) |
15:30〜17:00 |
(講義)
「航空エンジンの非定常解析による性能向上」
土屋直木((株)IHI) |
聴 講 料:会員20,000円,会員外30,000円,学生員10,000円,一般学生15,000円
参加者数:58名
講習会の状況:
アンケート結果(アンケート回収数:39)
年齢
10代 |
20代 |
30代 |
40代 |
50代 |
60代 |
70代 |
回答なし |
0 |
19 |
15 |
1 |
3 |
0 |
0 |
1 |
職業
企業の研究 開発 |
企業の設計 業務 |
企業の営業 業務 |
その他の業務 |
国立研究機関 |
大学の教官 |
学生 |
回答その他 |
19 |
6 |
0 |
1 |
1 |
1 |
10 |
1 |
参加のきっかけ
機械学会誌の会告原稿 |
Web |
上司・先生・知人の紹介 |
メーリングリスト |
その他 |
2 |
8 |
25 |
4 |
0 |
参加費用
高い |
やや高い |
妥当 |
多少安い |
安い |
0 |
13 |
25 |
1 |
0 |
使用テキスト
良い |
概ね良い |
普通 |
若干悪い |
悪い |
5 |
14 |
14 |
5 |
1 |
理解度
かなり理解した |
概ね理解した |
余り理解できなかった |
殆ど理解できなかった |
回答なし |
2 |
25 |
8 |
1 |
3 |
満足度
非常に満足 |
概ね満足 |
普通 |
多少不満 |
不満 |
9 |
20 |
10 |
0 |
0 |
講習会の様子
機器展示の様子
本講習会では,非定常流れの測定技術や数値解析の現状および測定データと計算結果の有効な処理法などを中心とした,非常に興味深い内容の講義が行われました.また,非定常流動特性の設計への応用による性能の向上事例や,実験的手法と数値解析的手法の両面から研究開発を行うことの重要性なども示されました.さらに,最新の非定常流の測定機器とCFDソフトの展示および説明も行われ,アンケート結果が示すように多くの受講者の方々にご満足いただけた講習会となりました.
最後に,本講習会にご参加いただいた受講者の皆様,ご多忙中にも関わらず講演をお引き受け下さった講師の方々,ならびに機器展示・プレゼンテーションにご協力いただいた各社へ厚く御礼申し上げます.
最終更新日2008.2.20