No.06-61 講習会「流体力学基礎講座」開催報告書

住友金属工業(株) 総合技術研究所 武石芳明

 2006 年 9 月 5 日 ( 火 ) , 6 日 ( 水 ) の二日間にわたり,“流体力学基礎講座”が日本機械学会 会議室で開催されました.受講者は,社会人 22 名(会員 10 名),学生 7 名(会員 2 名)の計 29 名で,講義は,神奈川工科大学 石綿良三先生,東京理科大学 山本 誠先生および東京大学 森下悦生先生に下記内容で担当していただきました.

第1日 (9 月 5 日 ( 火 ))

 9:30 − 11:20
流体の性質と分類,流れの基礎 :石綿良三先生
11:30 − 12:30 
静止流体の力学 :石綿良三先生
13:30 − 14:50 
準1次元流れ :石綿良三先生
15:00 − 16:20 
運動量の法則 :石綿良三先生
16:30 − 17:00 
質疑応答 :石綿良三先生
 
第2日 (9 月 6 日 ( 水 ))
 9:30 − 10:40 管内流れ :山本 誠 先生
10:50 − 12:00 物体まわりの流れ :山本 誠 先生
12:00 − 12:30 質疑応答 :山本 誠 先生
13:30 − 16:20 Excel で学ぶ流体力学演習

:森下悦生 先生

16:30 − 17:00 質疑応答

:森下悦生 先生

 

 第1日目は,流体力学の基礎から運動量の法則までを,「 JSME テキストシリーズ流体力学」をベースに,石綿先生自作のPCアニメーションと流体おもしろ実験を交え,初心者にも非常にわかりやすく解説していただきました(写真1).受講生も真剣に聴講し,好評でした.

石綿先生
写真1.石綿先生の講義風景

 第2日目午前中は,山本先生に流体力学の応用として管内流れと物体周りの流れを,例題とジェットエンジンの設計事例を交え解説していただきました(写真2).受講生も実務に結びつけるべく熱心に聞き入っていました.

山本先生
写真2.山本先生の講義風景

 午後は,森下先生に,本講座で学んだ流体力学の基礎から物体まわりの流れまでの例題を,実際に Excel で解く演習をしていただきました(写真3).受講生各自にはノートPCを持ち込む煩雑さはありましたが,各例題は実務で即活用できると好評でした.

 

加藤先生
写真3.森下先生の講義風景

 受講後のアンケート(回収率: 89.7 % ,表1)では,内容は概ね理解していただき,満足のいく講習会であったと思われます.

 本講習会は,流体力学を多くの分野で活用して,現象の解明,プロセスの改善,新商品の開発,新たなアイデアの創出等に役立てていただくことを目的に,流体力学の初心者を対象に開催したものです.今後とも継続予定ですので,多数の方々の参加をお待ちしています.

表1.アンケート結果

参加者年齢構成(%)

20 才台

30 才台

40 才台

50 才台

53.8

26.9

15.4

3.8


参加者職種(%)

学生

研究開発

設計

その他

26.9

26.9

38.5

7.7


参加動機(%)

業務上必要

基礎知識拡張

再確認・復習

その他

30.8

30.8

30.8

7.7


参加きっかけ(%)

会告

Web

紹介

メール

19.2

15.4

57.7

7.7


参加費(%)

高い

やや高い

妥当

多少安い

3.8

42.3

46.2

7.7


テキスト(%)

良い

概ね良い

普通

若干悪い

30.8

53.8

15.4

0.0


理解度(%)

かなり理解した

概ね理解した

あまり理解できない

殆ど理解できない

26.9

69.2

3.8

0.0


満足度(%)

非常に満足

概ね満足

普通

多少不満

26.9

50.0

11.5

11.5


興味を持った講義[複数回答](%)

石綿先生

山本先生

森下先生

無回答

46.2

38.5

46.2

19.2

最終更新日2006.9.19

 

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