部門の概要

 機械工学を支える学問はよく言われることですが,三力(材料力学,流体力学,熱力学)または四力(機械力学が加わる)と呼ばれる力学です.これらの力学を基礎に制御,情報,知能などの分野が加わって機械工学の体系ができています.流体力学は機械工学の基礎の重要な一角をなしています.あらゆる原動機は流体力を利用して動いています.飛行機も車も流体力学の結実です.一方,現代社会を脅かす環境問題の多くには流体が関与し,流体力学は問題解決に寄与する責務があります.21世紀の今,この分野の進歩はとどまるところを知らず,分子レベルから地球レベルまでの流体現象を包括し,流体の持つ無限の可能性を引き出すために,多くの研究者,技術者が日夜努力しています.流体工学部門は日本機械学会の中にあって流体力学の基礎からその工学的応用に携わる人達から成り立っています.流体工学部門は日本機械学会が部門制に移行した時から主要部門として活動してまいりました.流体工学部門は日本機械学会に現在20ある部門の中で登録者数が最大の部門でもあります.流体工学部門がカバーする分野を以下にキーワードでまとめます.

基幹キーワード:
非圧縮性流体,圧縮性流体,乱流,混相流,キャビテーション,非ニュートン流体,機能性流体,量子・分子動力学,波動,境界層,自由表面流,流体機械,数値流体力学(CFD),実験流体力学(EFD)

関連キーワード:
カオス,不安定流現象・遷移流,乱流制御,乱流拡散,水撃,流体過渡現象,管内流,噴流,後流,ディフューザ,界面,超音速・極超音速流,衝撃波,流体関連振動,流体音,希薄気体力学,生物関連流れ,燃焼・反応流,電磁流体・プラズマ,磁性流体・MR流体,液晶,超流動,マイクロ流,環境流体,大気・海洋流,風力・潮力・波力,開水路,風洞,流体計測・可視化,流れの制御,流体機械要素,抗力・揚力,翼・翼列,ポンプ,水車,蒸気タービン,ガスタービン,圧縮機,送風機,真空機器,油空圧機器・水圧機器・流体システム,流体輸送,カプセル輸送

部門の活動を簡単に以下に説明します.

(1) 講演会 部門単独で主催する定例の講演会としては, 流体工学部門講演会 があります.この部門講演会は例年秋に開催されます. 2006年度は,10月28,29日に東洋大学で開催されます. 日本機械学会の 年次大会講演会 ( 2006年度は9月18-21日に熊本大学にて開催) も部門の主要行事です.国際行事として定例的に行っている講演会としては,流体工学部門 (FED)が アメリカ機械学会(ASME )との共催で実施する日米流体工学会議 (次回は 2007年に開催される予定 ),および流体工学部門 (FED)と 熱工学部門(TED) 韓国機械学会(KSME) との共催で実施する日韓熱流体工学会議があり,どちらも4年に1度のペースで実施しています.定例以外の国内および国際講演会も開催の要望があれば実施しており,最近では 2005年10月5-8日には, 噴流・後流・剥離流に関する国際会議 を三重県鳥羽市で実施しました.
  講習会 流体工学の最新のトピックスを扱うものから,基礎的な知識の習得を目的とするものまで企画実施しており,年間 4件程度の講習会を実施しています.
  学術表彰 流体工学の分野発展に貢献した人や顕著な研究を行った人達を表彰する活動を行っています.
(2) 出版活動: 日本機械学会誌 JSME International Journal の特集号の企画を行います.2006年6月に創刊された 部門英文ジャーナル“ Journal of Fluid Science and Technology ” の編集業務も部門内の活動として行っています.
(3) 研究会: 日本機械学会の中には部門所属の研究会や部門協議会所属の横断的研究会などがあります.これらの研究会は会員からのご要望に基づいて組織されますので,意欲のある方は是非設立を申請していただきたいと思います. 部門所属の研究会,P-SC に対しては財政的補助をします.
(4) 会員増強・
サービス:
会員サービスに関してどうあるべきかを検討する活動も行っています.
(5) 部門ホームページ の維持管理や ニューズレター を通じての広報活動を行っています. 流れの夢コンテスト(部門講演会と同時開催) のような楽しい催しも企画・開催しております.

以上の5つの活動を担当する委員会として
(1) 技術委員会 ,(2) 編集委員会 ,(3) 総務委員会 ,(4) 会員委員会 ,(5) 広報委員会 が部門内に設置されています.

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更新日 2006.8.20