社会の発展にともない、環境問題は、自然環境の保全、再生可能エネルギーの開拓・活用をはじめ、大気・水の保全と循環・再生、廃棄物処理、リサイクル、低炭素化社会形成など多方面に及んでいます。環境工学部門はこのような難しい問題に対してエンジニアリングの観点から有益な情報を提供していくことが使命と考えています。機械工学の広い分野の知識を統合して問題解決に当たるため、当部門では次の4つの技術委員会を中心に活動しています。
人間の生活環境へ及ぼす騒音・振動の影響とその対策、快適性を求めた機械の音・振動の改善と創造まで、幅広い課題を採り上げています。研究会は、これまでに「機械振動と音響アメニティ」,「音環境の快適化」,「機械騒音の音質改善技術」,「機械音の快適化技術」をテーマとして活動してきました。現在は「音・振動快適化技術と新しい評価法」をテーマに掲げ、機械工学における環境の側面から見た音・振動の研究・開発に取り組み、また本分野の発展に向けて積極的にイベント活動を行っています。
資源循環・廃棄物処理とエネルギーの関係は、昨今さらに密接になってきています。サステナブル都市を実現するためには、リサイクル技術や高効率廃棄物発電・熱利用技術などの最適な組み合わせが大切です。それらの装置の多くは機械装置が担っていますが、決してハードルが高い技術だけではなく、仕組みの組み合わせや工夫により、効果的な解決が見出されることも多いことから、幅広い周辺分野に着目して取り組んでいます。
燃焼に伴うNOx,SOx、微粒子物質の生成抑制、CO2固定化、大気中NOx濃度の低減技術などに取り組んでいます。水保全分野では、閉鎖性水域での富栄養化から環境ホルモンに至る様々な水圏の環境問題をはじめ、循環型社会の構築にむけた水再生利用技術などに取り組んでいます。また、大気・水中における微生物の殺滅にも取り組んでいます。
自然環境、社会・経済環境、人類の文化・福祉・健康・快適性など様々な周囲環境を含めた包括的なシステムとしてエネルギー技術を捉え、自然環境に調和する持続可能な人工環境を構築するエネルギー技術(空気調和・冷凍等)に取り組んでいます。
また、環境工学に携わる者の情報交換の場として、毎年環境工学総合シンポジウムを開催しています。(シンポジウムの詳細については、ホームページに掲載のプログラムをご参照下さい。)環境工学に関心のある方の当部門への参加をお待ちしております。