第一技術委員会は、人間が生活の中で身体的・精神的に様々な影響を受ける騒音・振動に関する諸問題を扱います。産学の研究者を中心に30名近いメンバーで活動をしています。感染症の影響を引き続き受けてオンラインも活用しつつ、対面での活動も再開しております。今後も対面とオンラインをうまく併用しながら活動を進めることによって、より多くの方にご参加いただけるような参加形態を模索いたします。
(1)技術講習会
委員各位のご協力により例年通り2回開催することができました。1回目は6月9日(金)に「静粛設計のための防音・防振技術」と題して、2回目は10月18日(水)に「空力音・流体音の静粛化」と題していずれも中央大学後楽園キャンパスで現地とオンラインのハイブリッド形式で実施しました。1回目33名、2回目56名の参加者がありました。
(2)手作りで音を楽しもう
─環境にやさしい夏休み親子向けイベント─
株式会社東芝のご協力のもと例年実施しているイベントです。ここ数年の間はオンラインで実施してきましたが、昨年より対面での実施に切り替えており、今年度は8月8日(火)に実施しました。親子合わせて39名が参加しました。
(3)「音・振動快適化技術と新しい評価法」研究会
今年度1回目は10月20日(金)に、岡山振動音響技術研究会との共催にて、岡山県工業技術センターのご尽力により、ハイブリッドで開催し、48名が参加しました。2回目の2月28日(水)は日本音響学会騒音・振動研究会、機械学会の共催という形で鉄道総合技術研究所のご協力を得てハイブリッドで開催予定です。今後もオンラインあるいはハイブリッド開催ならではの魅力ある活動を周知し、柔軟で活発な活動を維持できればと思います。皆さまのご協力をこれからもどうぞよろしくお願いします。
1.活動報告
第2技術委員会は、資源循環・廃棄物処理技術分野を対象とし、サステナブル都市実現にむけた課題解決に取り組んでいます。 今年は延期されていたIWEEの開催や、第2技術委員会が計画した見学会を1件開催することができ、COVID-19で制限された学会活動も復調の兆しが見えてきました。
IWEEでは新たな取り組みとして、学生と企業の懇親の場が設けられ、採用活動とはまた違った角度での学生と企業のマッチングが期待されるところです。
見学会は、2023年10月12日に開催し、13名の参加がありました。最新の焼却炉とそこに中継輸送する中継施設をめぐることで、ごみ処理の広域化とそれに伴う輸送距離の増加という課題に対する一つの解決策について学ぶ場となりました(詳細は別掲載記事を参照)。
2.計画
新しい技術によって生活が便利になる一方で、新たな問題も顕在化しています。第2技術委員会では問題点にもスポットを当てて考えるきっかけとすることで、よりよい技術の進歩を実現できるよう取り組んでいきます。
第 3 技術委員会は、大気や水環境分野を扱う研究者や技術者で組織されています。コロナ禍による行動制限が徐々に解除され、少しずつオンライン以外での委員会の活動も増えています。今年度はシンポジウムのほか、見学会と講習会を企画、実施しました。
第 33 回環境工学総合シンポジウム(2023年7月25-28日)では、「大気・水環境保全技術分野」のセッションにおいて8 件の研究報告がありました。また期間中にIWEEも開催され、第3委員会関係は国内外合わせて14件の発表がありました。このように国内で開催される国際会議は、英語での発表の場として学生にとっても貴重な経験になったと思います。
また、2023年11月10日には、見学会「東京スカイツリーにおける研究設備と構造」を実施しました。東京スカイツリーは、日本を代表する電波塔として、耐震や雷害対策などがされています。本見学会では、ロゴスキーコイル(雷観測)、心柱構造・耐震設備、送信機室内・塔体外部など、通常では入ることのできない場所の見学もでき、当日はあいにくの天気でしたが、行程終了後には、各自で天望回廊・天望デッキの見学もしました。定員40名は会告とともにすぐに埋まり、により、他部門の方々との交流を通じてより環境工学部門の発展につなげることができるのではないかと感じました。見学会終了後のアンケート結果から、こうしたイベントは再度企画してほしいという要望がたくさんありました。
2023年11月21日(火)13:20〜17:00にオンラインにて、「低炭素社会実現に向けた最新技術」と題して、講習会も実施しました。他部門の方々も講師として迎え、カーボンニュートラルに関する取り組み事例として、廃棄物処理、排ガス処理、電池開発などの研究開発状況について説明がありました。会告が少し遅かった影響もあり、想定よりも多くの方に参加していただけなかったことが反省点です。
今後も見学会や講習会といったイベントを企画し、新たなイノベーション創出に貢献できるような活動を実施してまいりますので、引き続きご支援ご協力お願いいたします。第 4 技術委員会では、再生可能エネルギーの開発、エネルギーのための熱交換器やヒートポンプの技術開発、エネルギーの有効利用のためのヒートポンプの活用、エネルギーシステムの最適化等の分野に関する研究者が集まり、環境保全型エネルギー技術を主なテーマとして挙げ、活動しています。
2023年度では、技術委員会と親子イベント、講習会、見学会、研究会を実施した他、空気調和・冷凍連合講演会、環境工学総合シンポジウムのオーガナイズドセッションとして研究報告を行いました。
(1)夏休み親子向け行事「熱を体験してみよう」
次世代を担う児童たちに工学や機械、エネルギーに興味を持ってもらうために、夏休み親子向けイベント「熱を体験してみよう」を開催しています。
本イベントは2011年から開催しており、13回目を迎え、夏休みの恒例行事となっています。
コロナ禍のため2020年度よりオンライン開催となり、2023年7月の開催では、日本各地から15名の小中学生の子供たちとその親の方に参加していただきました。体験キットを用いて参加者が実際に手を動かすことで、身近にあっても目に見えない「熱」の性質を体験していただきました。
(2)講習会「プログラミングで学ぶ熱物性推算」
熱・エネルギーシステムや流体機械など様々な機械工学分野において,正確な流体物性値の利用が要求される中、より実践的な知識の習得を目的とし,「プログラミングで学ぶ熱物性推算」の講習会をオンラインで開催しました。昨年度の大盛況の経験を踏まえて、2023年10月に基礎編と11月にステップアップ編のプログラムを実施し、100名を超えるたくさんの方々に参加していただきました。2024年度以降も、多くの方々が参加できるように企画し実施したいと思います。
(3)見学会「気象庁」
日本国内の気象データの収集、予測、警報、および気象情報の提供を行う気象庁(所在地:東京都港区)の見学を2023年12月に行いました。気象防災オペレーションルームと地震火山オペレーションルームを案内され、災害の防止・軽減、災害発生時の応急対策、二次災害発生の防止などに必要なさまざまな防災気象情報を、国・地方公共団体などの防災関係機関に提供する役割として気象庁を理解できる良い機会となりました。
(4)第56回空気調和・冷凍連合講演会
空気調和・冷凍連合講演会では、毎年「環境保全型エネルギー技術」のオーガナイズドセッションとして参加しています。第56回空気調和・冷凍連合講演会が2023年3月27〜28日に東京海洋大学で開催され、7件の研究報告を行い、活発な議論が行われました。
(5)第 32 回環境工学総合シンポジウム
環境工学総合シンポジウムでは、毎年「環境保全型エネルギー技術分野」のオーガナイズドセッションとして参加しています。2023年度には、7月25日に島根県松江市のくにびきメッセでIWEE2023の国際シンポジウム(2023年7月25〜28日)と同時開催されました。「環境保全型エネルギー技術分野」セッションでは、32件の研究報告があり、活発な議論が行われました。
その他,第 4 技術委員会の委員を中心とした研究会が開催されました.NEE研究会、サーモインフォマティクス研究会、計2つの研究会が活動しています。
2024年度にも、引き続き2023年度の行事を推進しながら、他の技術委員会や研究会、他学会からも継続してご参加いただけるような様々な分野の横断的研究交流を計画いたします。
1.はじめに
環境工学部門の 4 つの技術委員会の横断的活動として「先進サステナブル都市・ロードマップ委員会」が組織されており、日本機械学会の部門横断的な直轄委員会である「技術ロードマップ委員会」の環境工学部門としての対応を行っています。2023年度は、@年次大会にて技術ロードマップ委員会特別企画ワークショップを開催、A学会誌ロードマップ特集号への投稿を行いました。
2.特別企画ワークショップ
「地球環境再生に向けた持続可能な資源循環の実現」をテーマとして行われました。第1部では招待講演者(日立ハイテク/山崎美稀氏、名古屋大学/荒井 政大教授、東京大学/鹿園直毅教授、熊本大学/中西義孝教授)による話題提供を行いました。第2部では講演者によるパネルディスカッションが行われ多様な分野からの専門家が意見を交換し、持続可能な環境へのアプローチや議題に関する深い洞察が共有されました。
3.学会誌ロードマップ特集号への投稿
『人間と自然,都市と地方,個人とコミュニティが長く共存される社会』と題して、日本機械学会の22
部門の中から、このテーマに密接に関連する環境部門を含む7部門の代表が集まり意見交換や議論を行いました。そのうえで、日本機械学会が2050 年に目指す社会像の在り方、およびそこまでに到達するためのロードマップを取り纏め学会誌への投稿を行いました。
詳細は機械学会ホームページの「技術ロードマップ委員会」のページで紹介させて頂いておりますので、ぜひご参照ください。