JSME

2018年度部門賞・一般表彰の受賞者の紹介

※所属・成果はいずれも,受賞決定当時のもの.

部門賞受賞者

部門功績賞

梶原 逸朗(北海道大学 教授)

2014年度(第92期)部門長を務め,部門活動の国際連携などに取り組みました.2015年8月に弘前大学 文京町キャンパスで開催した「D&D2015」では実行委員長を務め,「結束を新たに,未来を拓く」を総合テーマとして,世代を超えた交流を促進し,盛会に導きました.また,日本機械学会と韓国機械学会の講演会での招待講演などを含め日韓相互開催に向けて尽力,その後の開催に大きく貢献されました.さらに,2014年8月に札幌で開催されたMoViC2014では,現地における主導的立場でMoViCの国際会議としての発展に尽力されました.

部門国際賞

藤原 浩幸(防衛大学校 准教授)

機械状態監視診断技術者資格認証事業に2005年度から参加しており,2013年度からは同資格認証事業委員会幹事, 2015年度からは同委員長として,日本の技術レベルの向上と維持に多大に貢献している.当該分野の技術レベル維持のため,幹事 (2013年度)から委員長(継続中)の在任期間に米国Vibration lnstituteおよび韓国KSNVEとの年1回の定期会議を自ら企画・実施しており,同氏のリーダーシップのもとで綿密かつハイレベルな技術交流の持続がなされている.
また, ISO/TC108/SC2/WG7(磁気軸受の振動)国内委員会においても2011年度から国内委員会幹事(2013年度)から委員長としてIS014839(磁気軸受の振動)の日本提案規格の制定や既存規格修正への日本意見の反映をリードし,我が国のプレゼンスを示している.さらに,機械分野における国際組織であるIFToMMの回転機械部門の日本代表委員も2010年より務めており,同分野の発展にも大きく貢献している.

学術業績賞

藤田 聡(東京電機大学 教授)

免震装置の研究開発に草創期から大きく貢献し,その成果を,これまでに150編以上の学術雑誌論文や国際会議論文に纏めています.その内容は,学術的に優れたものが多く,使用限界状態推定など当該分野の基盤技術の確立に深く寄与されています.また,免震分野以外にも様々な制振装置の開発に携わられるとともにその力学特性の数値モデル化など先駆的な研究を継続的に行われました.さらに,我が国の原子力,火力発電施設などの耐震技術の高度化に資する研究にも精力的に取り組まれました.日本機械学会では,1980年代より機械分野の地震被害調査に積極的に関わられ,2011年の東日本大震災においては,主導的立場で被害事例を工学的に整理し,学術的に極めて高い専門知見を他分野の専門からとまとめた被害報告書の出版に貢献されました.

パイオニア賞

原 進(名古屋大学 教授)

主に天体着陸探査機の着陸時転倒防止問題を題材として,クラッシャブルな塑性変 形を用いた従来の衝撃減速度抑制に基づく手法と異なり,衝撃を受けた後のリバウンドや転倒を確実に抑制するとともに,繰り返し衝撃応答を制御可能な手法として運動量やエネルギーの交換に着想を得た機構や制御手法を提案してきた.これらは力学の基本原理に即して考えられた手法であり,パッシブ機構として優れているのみならず,アクティブ制御との相性も良いなど学術的にも興味深い特徴がある.平成23年度から科研費基盤研究(B)と同(A)を続けて獲得するとともに,三菱財団自然科学研究助成なども獲得してきた.これまでに23通の査読付ジャーナル論文が掲載され,特許出願も2件行っている.国際・国内会議でも多数の発表を行うとともに, 2件の優秀講演賞を受賞している.本研究成果は天体着陸探査機のみならず,車両の衝突時衝撃応答制御への応用も考えられている他,マルチコプターの着陸時転倒防止機構への応用が計画されるなど,衝撃を受ける各種機械構造物に幅広く展開できる発展性を有している.

部門一般表彰者

部門貢献表彰

成川 輝真(埼玉大学 准教授)

長年機械力学・計測制御部門で活躍しており,平成29年度の部門幹事として部門の活性化に大いに貢献されました.また,部門講演会Dynamics and Design Conference 2018の実行委員会幹事として同講演会を盛会に導きました.

オーディエンス表彰(Dynamics & Design Conference 2018 優秀発表者)

大塚 啓介(東北大学大学院)
論文名:展開型モーフィング翼の柔軟マルチボディシミュレーション

廣明 慶一(青山学院大学)
論文名:矩形シートに発生するフラッタの励振 メカニズムの考察

森野 佐芳梨(大阪府立大学)
論文名:慣性センサによる筋活動推定を含めた妊婦の腰背部痛関連動作計測

D&D2019における表彰式