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2014年度部門賞と一般表彰の受賞者の紹介
部門賞受賞者
部門功績賞
井上 喜雄(高知工科大学 特任教授)
2010年度(第88期)の機械力学・計測制御部門の部門長を務められ,また部門講演会であるDynamics and Design Conference 2011の実行委員長として部門の発展に貢献されました。また,当部門のヒューマン・ダイナミックス&メジャメント研究会幹事としても活躍されています。さらには学会の論文集の編集委員,チーフエディターなどを歴任されており,部門所属の研究者として学会全体の発展にも寄与されています。
部門国際賞
西村 秀和(慶應義塾大学 教授)
2009年度(第87期)の国際・交流委員長を務められ,その際,第86期から部門の国際化として韓国機械学会Dynamics & Control部門との協力関係を深める活動を引き継ぎ,D&D2009以降,付随行事として隔年で日本と韓国で交互にJSME-KSME ダイナミクス&コントロールに関するジョイントシンポジウムを開催する仕組みを作ることに貢献されました。また,第10回運動と振動の制御に関する国際会議(MoViC2010)ではプログラム委員長を務め盛会に導かれました。さらに2014年に開催した第12回同国際会議(MoViC2014)では実行委員長を務められ,米国機械学会Dynamic Systems and Control部門との協力を進めるなどにより,部門の国際化に大きく貢献されました。このほか、Journal of System Design and Dynamics(JSDD)の発足当時から編集作業に尽力されました。
学術業績賞
背戸 一登(背戸技術士事務所 所長)
機械振動制御の分野で多くの優れた学術業績を挙げられ,それにより日本機械学会論文賞を2度受賞しておられ,我が国の機械振動制御に関する研究の第一人者であると言っても過言ではありません。著述書の「振動の制御」では,付属のCDにMATLABで書かれたシミュレーション事例が初学者・実務者の学習効果の向上に多大な貢献をしています。「構造物の振動制御」は2007年度に計測自動制御学会の著述賞を受賞した書籍であり,計測自動制御の分野においても大いに寄与すると評価されています。「Active Control of Structures」は英国の著名な出版社Wileyから出版され,ベルギー・ブリュッセル大学のPreumont教授が前半の古典制御に基づく応用事例を,同氏が後半の現代制御に基づく構造物の振動制御事例を執筆し,国際的に高い評価を得ています。「動吸振器とその応用」は、基礎理論・拡張理論および最近の応用事例まで纏めた我が国唯一の動吸振器に関する専門書であり,振動制御分野の研究者・技術者必見の書籍となっています。
学術業績賞
曽根 彰(京都工芸繊維大学 教授)
著書9冊,学術論文83編,参考論文149編,口頭発表207編等の優れた業績をあげ,工学と工業の発展に貢献されました。特に初期の研究である,液体貯槽および配管系の耐震設計における荷重加算法に関する研究においては,機械工学的あるいは機械技術的価値を示されました。その成果が機械学会論文集,アメリカ機械学会圧力容器と配管会議論文集に掲載されるとともに1989年に日本機械学会より「加重加算と非線形性を考慮した耐震設計法に関する研究」に対して奨励賞を受賞しました。日本機械学会論文集,JSME Internatonal Journal、アメリカ機械学会圧力容器と配管会議論文集,アメリカ機械学会設計工学技術会議論文集に掲載されるとともに2001,2006年に日本機械学会 機械力学・計測制御部門よりパイオニア賞およびフェロー賞を受賞されました。
技術業績賞
菅原 能生((公財)鉄道総合技術研究所 主任研究員)
鉄道車両の乗り心地向上をめざした振動制御技術について長年研究され,日本機械学会主催の講演会において多数の成果発表をおこなってこられました。候補者らが開発した「可変減衰上下動ダンパ」は,現用の上下動ダンパと交換して取り付け可能でありながら大幅な乗り心地向上を実現できます。この技術は,JR九州の観光特急列車「指宿のたまて箱」に導入され,鉄道車両の上下振動制御システムとして,世界初の実用化となりました。当該技術は,本部門のニュースレターNo.51(2013年3月発行)においても紹介されています。このシステムはさらに改良され,JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」の全客車に採用され大きな話題を集めています。以上,同氏は,鉄道車両の振動制御分野において卓越した技術業績を残されたといえます。
パイオニア賞
高崎 正也(埼玉大学 教授)
同氏は,弾性表面波の機械振動を利用し,人間の触覚を物体表面に再現する研究をされています。板状のデバイス表面をなぞった際に皮膚感覚を提示するために,超音波の一種である弾性表面波の利用を提案されました。またこの原理をペンタブレットにも適用することが可能で,「書き味」を提示できることも示されました。さらに,遠隔地にある物体表面をなぞったときの振動を計測し,手元のディスプレイでそれを再現するようなシステムが可能であることを実験的に示されました。これらの技術開発の中で,超音波を利用するための振動子の開発から適切な皮膚感覚を提示するための制御系に至るまで様々な業績をあげられています。この技術は,機械工学の中でも先駆的な物であります。
部門一般表彰者
部門貢献表彰
高橋 正樹(慶應義塾大学 准教授)
長年機械力学・計測制御部門で活躍しておられ,2013年度(第91期)の部門幹事として部門の活性化に大いに貢献されました。また部門講演会であるDynamics and Design Conference 2014において,幹事としてその開催と運営に尽力され,講演会を盛会に導かれました。
オーディエンス表彰(Dynamics and Design Conference 2014 優秀発表者)
望月 慶佑(三菱重工業(株))
論文名:記述関数とモデルマッチングを利用したバックラッシュ振動の抑制制御
本田 真也(北海道大学)
論文名:双安定性を有する複合材シェルのスナップスルー変形に関する多目的最適化
長 真啓(茨城大学)
論文名:小児用磁気浮上人工心臓のインペラ浮上安定性
オーディエンス表彰(シンポジウム:スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2014 優秀発表者)
中井 亮仁(東京大学)
論文名:MEMS3軸力センサを用いた傾斜路歩行時の足裏応力分布計測