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2011年度部門賞と一般表彰の受賞者の紹介

部門賞受賞者

部門功績賞

永井 健一(群馬大学 教授)
第85期部門長,部門講演会実行委員長(D&D2008),部門講演会特別企画実行委員長,部門常設委員会委員長や,部門所属の研究会の主査及び幹事を歴任され,その活動は部門の活性化と発展に大きく貢献されました.さらに,部門主催の講習会講師を務められ若手研究者や技術者への啓蒙を行うとともに,部門メンバーとの共著による教科書や専門書の執筆にあたられるなど.当該分野の学問発展にも大いに貢献されました.

部門国際賞

今西 悦二郎(神戸製鋼所 次長)
2010年8月に京都大学で開催されたThe Fifth Asian Conference on Multibody Dynamics 2010 (ACMD2010, 主催:日本機械学会および韓国機械学会)において,General Conference Chairとして会議の中心的な役割を果たされました.本国際会議は,マルチボディシステムのダイナミクス,制御,および設計に関して情報交流を行うことを目的に,2002年より隔年で開催されている会議で,2010年の会議では17ヶ国から123件の発表が寄せられ,会議の成功に大きく貢献されました.

学術業績賞

佐藤 勇一(埼玉大学 教授)
自励振動に関する研究で顕著な業績をあげられております.摩擦・衝突・流体力に起因するさまざまな振動・C回転機械で発生する不安定振動,同期現象,自励音に関して業績をあげられ,2004年度には,「釘状物体の振動による整列」で日本機械学会賞(論文)を受賞されております.また,自励的現象についてわかりやすく示したビデオ教材「自励的現象に迫る~その発生メカニズム~」を共同で製作されるとともに,振動の基礎から系の安定性まで言及する書籍「振動の学び方」「振動の捉え方」を単独で執筆されております.さらに,当該研究分野と密接な関係を持つ「複雑系・非線形系のダイナミクスに関する調査研究分科会」や「回転体力学研究会」の主査を歴任されております.以上のように,該当分野の研究レベル向上に多大なる貢献をされました.

技術業績賞

小池 裕二(IHI 主幹)
橋梁主塔用の制振装置,高層ビルのハイブリッドマスダンパ方式の制震装置,波浪中の船体の動揺を低減する減揺装置,高層ビルの連結制振,近年では,フルアクティブマスダンパ方式の高層ビル用制震装置など,振動制御技術の開発と実装に取り組まれました.また建築・土木分野のみならず,海洋分野にも振動制御技術を応用し,社会基盤の安全を支える技術として高く評価されています.数多くの技術業績をあげられてきた中で,1993年度には,ハイブリッドマスダンパ方式の制震装置が,V字形状の可動機構のユニークさで高く評価され,日本機械学会賞(技術)(1993年度)を受賞されました.

パイオニア賞

杉山 博之(東京理科大学 准教授)
大変形を伴う弾性体と剛体がジョイント拘束を介して連成した柔軟マルチボディダイナミクス問題に対する先駆的な研究をされ,特に,Absolute nodal coordinate formulationによる種々の高性能曲がり梁要素の開発や弾性体のスライディングジョイント拘束,中間座標を導入した定式化など当該分野における独創的な解析法を確立されました.さらに,鉄道車両の運動シミュレーションをマルチボディダイナミクスの車輪/レール接触問題の観点から取り組み,多次元接触テーブルを用いた分岐器通過時の多点接触解析法の開発など,理論および実用の両面からマルチボディダイナミクス研究を推進されています.

部門一般表彰者

部門貢献表彰

宇津野 秀夫(関西大学 教授)
第88期機械力学・計測制御部門,2011年度機械力学・計測制御部門講演会実行委員会(D&D2011)の幹事として部門の活性化に大いに貢献されました.部門幹事としては,常設委員長連絡会の幹事を務め,部門活性化の議論を行い活性化策の検討に尽力されました.D&D2011の実行委員会幹事としては,部門活性化の議論等をふまえ,部門講演会活性化のための新しい試みを企画され,講演会を盛会に導かれました.また,部門の広報委員会委員長として部門の運営にも大きく貢献されております.

岡 宏一(高知工科大学 教授)
第53回自動制御連合講演会や第17回「電磁力関連のダイナミクス」シンポジウム等,他学会との共催講演会の大会実行委員長等を歴任され,他の学協会会員との交流におおいに貢献されました.2011年度機械力学・計測制御部門講演会の現地実行委員会の中心となり,現地での講演会の運営に尽力され,講演会を円滑に開催するともに,盛会に導かれました.上記のような活動を通じ,部門の運営・活性化に多大な貢献をされております.

オーディエンス表彰(Dynamics and Design Conference 2011 優秀発表者)

石川 諭(九州大学)
論文名:集中系モデルによる非線形浅水波の解析
講演番号:416

山本 彰人(アイシン精機)
論文名:プレビュー制御による電動アクティブサスペンション(eActive3)の乗り心地制御検討
講演番号:113

福田 良司(東京都立産業技術研究センター)
論文名:振動制御と音響制御の併用による窓ガラス透過音低減
講演番号:635

オーディエンス表彰(第12回「運動と振動の制御」シンポジウム 優秀発表者)

原口 大輔(東京工業大学)
論文名:柔軟関節を用いた空気圧駆動鉗子マニピュレータの開発
講演番号:A107

オーディエンス表彰(シンポジウム:スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス2011 優秀発表者)

宮崎裕介(東京工業大学
論文名:乳児の転倒事故と揺さぶり虐待における頭蓋内脳挙動
講演番号:A43

D&D2012における表彰式