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部門長挨拶


第102期部門長 髙橋正樹(慶應義塾大学)

「部門長就任に際して」

2024年度(第102期)の日本機械学会 機械力学・計測制御部門の部門長を仰せつかりました高橋正樹です。指導教員の吉田和夫先生に連れて行っていただいた初学会発表からお世話になっている部門ですので大変光栄に存じます。副部門長の松村雄一先生(岐阜大学)、部門幹事の萬礼応先生(筑波大学)、部門運営委員の皆様、本部門担当の上野晃太氏のご協力をいただきながら、これまでの経験と知識を生かし、当部門の発展に全力を尽くしてまいりますので何卒宜しくお願い致します。

はじめに、前期運営委員会の皆様のご尽力に深く感謝申し上げます。第101期の部門運営により、当部門は多くの成果を挙げ、研究と教育の両面で大きな前進を遂げました。この流れを受け継ぎ、更なる発展を目指してまいります。特に、国内外の学会活動を通じて、研究者間の連携と交流を一層強化し、機械力学・計測制御分野の発展に貢献していく所存です。

第102期の活動方針として、研究交流の場としての活性化、最新研究動向の情報収集、学会活動を通じた個々の成果への還元を柱としています。具体的には、以下の点に注力してまいります。

1.研究交流の促進

Dynamics and Design Conference (D&D) やその他のシンポジウム、国際会議を通じて、国内外の研究者との交流を深め、協力関係を築いていくことが重要です。特に、MoViCやACMDなどの国際会議を統合したJoint International Conferenceの実現に向けた取り組みを推進します。これにより、世界中の研究者が集まり、最先端の研究成果を共有し、新たな協力関係を構築する機会を提供します。さらに、他部門との連携と強化し、各種シンポジウムやワークショップを開催し、専門分野の枠を超えた知見の交流を促進してまいります。

2.国際化の推進

当部門の国際的なプレゼンスを高めるため、国際会議への参加や開催を推進します。特に、MoViC (Motion and Vibration Control)、ACMD (Asian Conference on Multibody Dynamics)、APVC (Asia-Pacific Vibration Conference)、ISMB (International Symposium on Magnetic Bearings)、J-K Symposiumなどの国際会議を統合し、Joint International Conference on Dynamics, Measurement and Controlを毎年開催する体制に変更することを目指し、議論を進めてまいります。実現までには数年かかると思いますが、これにより、国内外の研究者が一堂に会し、最新の研究成果を共有する場を提供し、当部門の国際的な影響力を強化します。国際化の方針に基づき、海外の研究者との共同研究や情報交換を積極的に行い、グローバルな視点での研究推進を図ります。

3.情報発信と共有

国内、国際の学術誌や学術講演会を通じて、最新の研究成果やトピックスを広く共有し、研究者同士の情報交換の場を提供します。また、企業からの社会人博士の参加を奨励し、実践的な研究成果の応用を促進します。国内学術誌や講演会を通じて得られる情報は、研究の方向性を決定する重要な要素となります。これを活用し、研究者間の連携を一層強化してまいります。その一環として、広報委員のご協力の下、昨年度より当部門のホームページのリニューアルを行ってまいりました。まもなく、一新されたホームページから皆様の研究活動、最新の研究成果が発信されていきます。さらに、インフォメーションメールや技術ロードマップの作成・配布を通じて、部門内外への情報発信を強化し、研究コミュニティ全体の活性化を図ります。

4.次世代への支援

若手研究者や学生への支援を強化し、彼らが自身の研究成果を発表する機会を増やします。修士課程や学部卒業生が卒業研究をさらに深めて発表する場を設けることで、彼らの研究意欲を高めることを目指します。具体的には、学術講演会やシンポジウムを活用し、学生が自身の研究を発表し、フィードバックを受ける機会を提供します。また、経験豊富な研究者による指導やメンタリングを通じて、次世代の研究者の育成に努めてまいります。機械力学・計測制御部門において大型予算を獲得している研究者のセミナーの開催を通じて、若手研究者の成長を支援します。

5.企画委員会の活性化

部門が活性化するための企画を立て、それを遂行するための準備を進めます。これにより、部門の活動が一層充実し、研究者同士の交流や情報交換が活発化することを目指します。また、前年度の企画を踏襲しつつ、新たな企画を積極的に導入し、部門の活動に新しい風を取り入れてまいります。皆さまから部門の活動に関するご意見を伺う場を設け、部門の活性化を図るための具体的な企画を立案・実施します。

6.部門内外の連携強化

他の部門や関連学会との連携を強化し、幅広い分野の研究者と交流する機会を提供します。これにより、異なる分野の知見を取り入れた新しい研究の展開が期待できます。また、企業や社会との連携を深め、研究成果の実社会への応用を促進します。産学連携の推進により、研究成果を社会に還元し、社会的課題の解決に寄与することを目指します。

以上の活動を通じて、当部門が更なる飛躍を遂げ、国内外の研究コミュニティにおいて一層の存在感を発揮できるよう尽力してまいります。共に力を合わせ、機械力学・計測制御分野の未来を切り開いていくため、皆様のご協力とご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。