産学連携研究フォーラム
(2004年9月27日13:00-18:00)
1.開催趣旨
グローバル競争時代を迎えて、産学連携による産業再生と新産業創生および大学の研究と教育の強化が叫ばれています。そこで機械力学・計測制御分野におけるベンチャー起業の構築例、産学連携研究例を紹介していただき、その体験、ノウハウ、問題点などを共有し、今後の会員のより生産的な研究・教育活動の糧にすべく企画しました。多くの方々の参加と活発な討論を期待します。
2.話題提供
13:00-13:10 「産学連携のすすめ」 東工大 小野京右
産学連携研究フォーラムの企画者として産学連携の意義、経緯、方式などを概観し、大学における今後の課題について提案する。
13:10-13:30 「ベンチャー起業」 キャテック株式会社 天津成美
15年前、大学で研究用に作ったモード解析のプログラムを種に単身ベンチャー企業を創設し、大学と協力しながら商品を開発・展開し、バブル崩壊など幾多の苦難を克服して維持・成長・拡大を続けてきた経験を基に、ベンチャー起業のノウハウ、経営の留意点、産学連携のあり方、音振計測の最近のトレンドなどを述べる。
13:30-13:50 「産学連携へのワンポイントアドバイス」 法政大
長松昭男
大学の教員・研究者として長年様々な企業との共同研究、ベンチャー起業支援、産官との連携による研究成果の実用化 などを行ってきた経験から 産学連携を成功させるためのポイントやベンチャー起業時の心構えに関する私見を述べる。
13:50-14:10 「東京農工大学の産学連携への取り組みと車両技術における産学連携研究」 農工大 永井正夫
世界初の2台連動式ドライビングシミュレータの導入、ITS研究、車両の知的制御に関する研究、アクティブインタフェイスビークルの開発、スマート構造化による車両の低振動化プロジェクトなど、永井研究室の最近の産官学共同研究を紹介し、あわせて農工大での産官学連携の支援体制を紹介する。
14:10-14:30 「免震装置・アクティブ振動制御システムの産学連携研究開発と実用化」東大生研 藤田隆史
建物免震用積層ゴム、コンピュータシステム用免震床、高層建物制振用アクティブ・マスダンパ、精密機器用アクティブ微振動制御システムなどを多数の民間企業と共同開発し、実用化させてきた経験を紹介する。
14:30-14:50 「外国人研究者による大規模研究室運営と産学連携研究」 東工大 萩原一郎
中国、ロシア、トルコ、米国、キューバ、エジプト、パキスタン、エチオピア、など計15名〜20名の外国人研究員、学生と共同研究をしている。外国人パワーをより有効なものとするための方策と、これによってより密度の高い産学連携が得られた例を紹介する。
14:50-15:00 休 憩
15:00-15:20 「ゴンドラ制振機構開発における産学連携」 京大 松久 寛
1993年に動吸振器取り付け位置の理論を発見し,索道メーカー、ゴンドラメーカー、制振装置メーカーとの協力で1995年に実用化した.そこに,競争会社が出現し,特許も含めた紛争が数年間続いた.産学連携における明暗を紹介する.
15:20-15:40 「マイクロガスタービン研究を通じての持続型社会へのアプローチ」 東大 金子成彦
学内に設置された超小型分散エネルギーラボと連携した活動から始まった、マイクロガスタービンの開発研究の流れを紹介し、続いて文部科学省のリーディングプロジェクトの一貫として取り組んでいるバイオマスガスタービンの研究開発の現状、持続型社会研究協議会の設立に至る産学連携活動の状況について紹介する。
15:40-16:00 「完全自律型小型無人ヘリコプタの研究開発プロジェクト」 千葉大 野波健蔵
1998年から開始した完全自律型小型無人ヘリコプタの研究開発は、2001年から産学連携を推進して経済産業省の支援の下で、2002年にホビー用としてはわが国で最初の完全自律化に成功し、さらに2003年オートローテーション、2004年アクロバット飛行等に成功した。ここでは、完全自律型小型無人ヘリコプタを通した産学連携の成功例を紹介する。
16:00-16:20 「接触回転系に生じるパターン形成現象とその対策における産学連携」 九州大 末岡淳男
接触回転系のロールなどに生じる多角形状のパターンの発生は産業界では多く経験する現象である.パターン形成の色々な現象を紹介し,産学連携研究としての企業からの情報提供の困難さの背景と、研究遂行の問題点も紹介する.
16:20-16:40 「空気圧制御システムの解析と新たな応用技術」 東工大 香川利春
空気圧システムは安価でシステム構築が容易との理由により産業分野にかぎらず、多方面に用いられている。本報告では新たな空気圧システムへの展開が示される。まず空気圧の駆動系変化の応用に始まり、大型車両の制動システム、サスペンション、生体における血圧計測器などである。
16:40-17:00 休 憩
3.パネルディスカッション(17:00-18:00) 司会 小野京右