No.03-7 D&D2003 付随行事

第1回夏の学校:非線形系のダイナミクスと制御

 
開催日
2003年9月19日(金),20日(土)
会  場
ながさき式見ハイツ(財)長崎勤労総合福祉センター
趣  旨
過去2回開催されて好評を博した学生向け講習会をさらに発展させ, 機械力学・計測制御の分野の将来を担う学生や若い研究者を対象として, これらの分野に関連した学問(主として最新のものや基礎的なもの)に 泊りがけでじっくりと触れ,勉強してもらうという新たな企画である. 第1回目の今回は,近年発展の著しい「非線形系のダイナミクスと制御」を取りあげ, その核心的な部分を入門者でもわかるよう, できるだけ平易に解説する. 同じような志をもつ若者が一堂に会して寝食を共にし, また,最前線で国際的に活躍する研究者を交えて互いに議論し懇談するという経験は, 個々の参加者の今後の研究に大きな影響を与えるだけではなく, 機械力学・計測制御の分野の発展に貢献する人材の育成のため 非常に有益なものであろう.
題目・内容・講師
9月19日(金)
13:10〜13:20/開校の挨拶  夏の学校副校長 矢ヶ崎一幸(岐阜大)
13:20〜14:50/分岐理論  藪野浩司(筑波大)
 非線形現象を解析する上で,分岐理論の知識は今や必要不可欠である.本講義ではそ の初歩を高度な数学の予備知識を仮定せずに(大学1年程度の線形代数の知識のみ仮定 して)わかりやすく解説し,従来法では困難であった非線形現象の解析が分岐理論によ って可能になることをいくつかの具体例(実験例)をもちいて説明する.
15:10〜16:40/カオス 矢ヶ崎一幸(岐阜大)
カオス現象の再発見が非線形力学の近年の目覚しい発展をもたらしたと言っても過言で はない.ここでは,調和的な強制力の作用する減衰振り子を具体例として取りあげ, (i) カオスとは具体的にどのような性質をもつ現象か,(ii) カオスはどのようなメカ ニズムで生じるのか,(iii) カオスが起こる条件を解析的に求める,という3つの事柄 に重点を絞り,カオス現象について解説する.
17:00〜18:30/カオス制御 山本茂(大阪大)
カオス制御は,カオスが起こることを積極的に利用し,カオス軌道の近くに存在する不 安定な周期軌道を小さな制御入力で安定化するというもので,中でもフィードバックを 用いる方法が有効である.ここでは,このようなカオス制御法の代表的なものとしてO GY法と遅延フィードバックをとりあげ,それらのアイデアの源や線形制御理論との関 連を中心に解説する.
19:30〜21:00/数値解析とソフトウエア 矢ヶ崎一幸(岐阜大)
実際の非線形系に対して分岐現象やカオス現象を調べようとするとき,解析的な取り扱 いが可能なのは限られた場合のみであり,多くの場合数値解析が必要となる.ここでは ,分岐やカオスの(単なる数値シミュレーションではない)数値解析で用いられる方法 や考え方について説明する.また,これらのアイデアを基礎として開発され,現在広く 使用されているソフトウエアAUTO,Dyamics,TISEANについて 実演を交えて紹介する.


9月20日(土)
8:30〜10:00/力学的非線形制御 藤本健治(京都大)
 非線形系の制御は一般に難しい問題であるが,制御対象を力学系に限ってその特有の 性質を利用してやれば,制御が比較的容易に行える場合がある.本講義では制御で扱え る力学系の性質とその利用法について解説し,シミュレーションや実験データとともに 実際の設計法を紹介する.
10:20〜11:50/分岐制御 藪野浩司(筑波大)
非線形現象の本質はその分岐形態を調べることにより明らかになる場合が多い.そこで ,近年分岐形態の適切な操作による,非線形現象の制御法の構築が盛んに行われている (分岐制御と呼ばれる).本講義では,分岐制御とはどのようなものかをわかりやすく 解説するとともに,それをもちいた劣駆動マニピュレータの運動制御法を理論的ならび に実験的に示す.
11:50〜12:00/閉校の挨拶  夏の学校校長 近藤孝広(九州大)


定  員
50名
聴講料
D&D参加者:学生員1000円,一般学生2000円,会員6000円,会員外12000円
夏の学校のみ:学生員2000円,一般学生6000円,会員12000円,会員外18000円
(いずれも資料1冊分の代金を含みます.)
注)夏の学校の趣旨により,特別に,社会人博士課程を除く博士課程 の学生に対しても学生員あるいは一般学生と同額の聴講料と致します.
宿泊代
実費:7000円(朝食,夕食込)
申込方法
申込者1名につき,「D&D2003 夏の学校参加申込」と題記し,
  1. 氏名,
  2. 会員資格および会員番号(会員外で学生の場合は学校名と学年)
  3. 連絡先(含む電話番号,FAX番号,E-mailアドレス)
をご記入の上,8月8日(金)までに下記あて E-mailまたはFAXにてお申込下さい. 定員となり次第締め切らせて頂きます.聴講料 は宿泊代を含めて下記の通り申し受けます.
お申込,お問い合わせ先
〒501-1193 岐阜県岐阜市柳戸1-1/岐阜大学工学部機械システム工学科 矢ヶ崎一幸
電話(058)293-2547/FAX(058)230-1892/ E-mail: yagasaki@cc.gifu-u.ac.jp

主催:日本機械学会 機械力学・計測制御部門


--> Last modified: Jul. 31 2003

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