pLaTeX2e では、図は Postscript 形式で貼り込むのが標準となっています。 ただし、使用できるフォントの関係で、Windows アプリケーションで作図して 直接 EPS ファイルに変換した場合でも、 フォントが希望どおりに変換されない場合があります。 (Mac の場合はこの問題は少ないようです) また、Windows アプリケーションによっては、 Windows Meta File (WMF) しか出力できない場合もあります。 pLaTeX2e では、WMF が埋め込めないというので、 WMF を EPS に変換する方法を考えました。 この方法のある部分は、上記のフォントの問題を解決するためにも流用できます。 まず、WMF の場合は、それを visio などの EPS に変換可能なソフトで 読み込んで EPS に変換して保存します。visio では、 名前を付けて保存を選び、ファイルの種類でEncapsulated Postscript File(*.eps) を選択し、ファイル名をつけて保存します。 出来上がった EPS を Acrobat Distiler4.0で PDF に変換しようとすると、 フォントが無いと警告が出て、courierに置き換えられてしまいます。 これを解決するには、まず Distiller4.0 の[設定]-[ジョブオプション]‐[フォント]で 埋め込みのフォントとして acrobat\resouces\font の一覧を表示し、 TimesNewRomanPSMT TimesNewRomanPS-ItalicMT Symbol などを必要に応じて「常に埋め込むフォント」に入れます。 次に、変換した EPS ファイルをテキストエディターで開き、以下の要領で編修します。 まず、先頭行が ナミモニoマ粧8%!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0 のようになっている場合があるので、%以前を削除し、 %!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0 とします。次に %%EOF のあとに文字化けしたコードが大量についている場合には、 これも不要なので、これも削除しておきます。 そして、幾つかの TruetypeFont を Distiller が変換可能なフォントに 宣言しなおします。すなわち、 /_TimesNewRoman 12.0000 Tf を /TimesNewRomanPSMT 12.0000 Tf などと書き直します。幾つかの対応するフォントは以下の通りです。 /_TimesNewRoman /TimesNewRomanPSMT /_TimesNewRoman-Italic /TimesNewRomanPS-ItalicMT /_TimesNewRomanItalic-Italic /TimesNewRomanPS-ItalicMT /_TimesNewRomanBold-Bold /TimesNewRomanPS-BoldMT /_CourierNew /Courier あるいは /ArialMT /_MS-Gothic /Symbol (ギリシャ文字に対応) ギリシャ文字は /_MS-Gothic になっているので、該当する個所を /Symbol に書き換えます。 さらに、実際の文字は、以下の例では (\203\306\r) となっています。 これは文字コードなのですが、Symbol では対応する半角アルファベットを用いて、 例えばαの場合は (a\r) と書き直します。ここでは、a がαに対応しています。 /_MS-Gothic 3.0000 Tf 0.0000 Tc 0 Tr 0.000 0.000 0.000 1.000 k (\203\306\r) Tx これを /Symbol 3.0000 Tf 0.0000 Tc 0 Tr 0.000 0.000 0.000 1.000 k (a\r) Tx と書き直す。 一通り、編集が終わったら、エディターを閉じて EPS ファイルを Distiller に ドロップして PDF に変換します。 EPS ファイルをエディターで開いたままでは、変換できないので注意してください。 以上