講習会のご案内


第87回講習会
機械システム制御の最新動向


【協賛 計測自動制御学会中国支部,電気学会中国支部】



開催日時

 2002年11月15日(金)10.00 ~ 17.05

会 場

 広島大学学士会館レセプションホール
 【東広島市鏡山1-2-2/電話(0824)24-6992】

趣 旨

  1990年ごろにH∞制御の実システムへの応用からモデルの不確かさを克服するロバスト制御技術の有用性が広く認識された.その後、VSS制御、ゲインスケジューリング制御、入力飽和のあるシステムの制御、構造と制御の統合化設計など、種々の観点からロバスト設計法の新展開が行われてきた.また、産業界で不動の地位を占めるPID制御器の設計もロバスト制御やセルフチューニング制御の立場から再検討されてきた.さらに、最近、ハイブリッド制御が注目を集めている.本講習会では、これら新制御技術の考え方と有用性を解説し、普及を目差す.

題目・内容・講師

(1) 10.00〜11.00/制御対象/制御器の統合化設計 /原 辰次(東京大学)

 制御性能の向上には、制御対象を制御しやすいように設計することが重要である.ここでは、「分離原理」に基づく制御対象/制御器の統合化設計の基本アイデアを述べた後、その核となる「制御しやすい制御対象の特徴付け」の理論的な結果と応用例を2つ紹介する.
  

(2) 11.10〜11.55/塗装ブース空調のモデルベース制御/山本貴史(トヨタ自動車 生技開発部)

 省エネ、立上時間削減を目指して、空調ブースのモデルベース制御系を設計する.今回はフィードフォワード制御器を付加したロバスト性能条件を満足するPID制御器を実装し、効果を確認した.

(3) 11.55〜12. 25/入力飽和系のAnti-windup制御 / 和田信敬,佐伯正美(広島大学)

 制御入力の飽和に起因する制御系の不安定化を防ぎ、さらに、アクチュエータの性能を最大限に発揮させる実用的かつ系統的な制御系設計法を紹介する. LMI数値最適化に基づくロバスト設計法である.

(4) 13.30〜14.15/ゲインスケジューリング制御系設計 /増淵 泉(広島大学

 ゲインスケジューリング制御は、システムの特性変動や非線形性に 応じて能動的に制御ゲインを調節する制御法であり、実用性の高い制御法として注目されている.ゲインスケジューリング制御の基本的な考え方と設計法を,設計例を交えて紹介する.
   

(5) 14.20〜15.05/スライディングモード制御を適用したスピン防止システムによる車両運動の安定化/吉岡透(マツダ 技術研究所)

 制動力により車両のヨーモーメントを直接制御して車両のスピン等を防ぐシステムでは、車両特性や路面摩擦係数μ等へのロバスト性が重要である.適応型スライディングモード制御に基づいて制御ロジックを構築し、その効果をシミュレーションおよび実車実験で検証した.
   

(6) 15:35〜16.15/(6) 15.15〜16.15/論理・制約を含む動的システムに対する新しい制御 −Mixed Logical Dynamical System−/津田和呂(NKK基盤技術研究所)

 離散値入出力や論理素子等を含むシステムを線形行列不等式を含む拡大状態方程式として記述し、これにモデル予測制御を適用して制御するという新しい手法の概要を紹介する.

(7)16.20〜17.05/セルフチューニングPID制御とその応用 /山本 透(広島大学)

 プロセス系ではPID制御が広く用いられているが、環境・動作条件により、制御対象の特性が変動することがあるため、PIDパラメータの自己調整が望まれている。そこで、セルフチューニングPID制御について解説するとともに、その応用例を紹介する.

定 員

 100名,申込み順に受付け、定員になり次第締め切ります.

聴講料

 会費ならびに協賛団体会員10 000円、会員外12 000円、学生 3 000円.いずれも教材1冊分の代金を含みます.

教 材

 教材のみご希望の方は1冊につき会員1 000円、会員外2 000円を添えてお申し込み下さい.講習会終了後発送いたします.

申込方法

 はがき,FAXまたはE-mailで,「第87回講習会申込み」と題記し、(1)氏名、会員資格、(2)勤務先名称、所属部課名、(3)通信先(住所、電話、FAX番号、E-mailアドレス)、(4)送金内訳と振込日(振込予定日)をご記入の上、お申し込み下さい.
 送金は、銀行振込(広島銀行西条南支店普通預金No.2429670)または郵便振替(01370-6-5207)をご利用下さい(口座名:(社)日本機械学会中国四国支部).
 なお、送金には、上記内容を記入した用紙を添えて現金書留をご利用いただいても結構です.

申込締切

 2002年11月1日(金)

申込先

 日本機械学会中国四国支部
 (〒739-8527 東広島市鏡山1丁目4番1号/広島大学工学部第一類内/電話&FAX (0824)24-7533/E-mail:jsme@mec.hiroshima-u.ac.jp)

ご注意

 聴講決定後は聴講取り消しのお申し出がありましても,聴講料は返金いたしません.

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