趣旨
2011年のM&M講演会が開催される北九州は,1901年の官営八幡製鉄所の操業開始以来,一大工業地帯を形成し発展を遂げました.高度成長期の深刻な公害問題は試練となりましたが,官民一体となった取り組みは高く評価され,国連などから世界的な顕彰を受けています.筑豊地域で採掘された黒いダイヤ(石炭)を積み出した門司港は,中国大陸への玄関口として歴史を刻み,現在では「門司港レトロ」として,多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています.
1997年に国内で初の承認を受けた「エコタウン事業」は,資源循環型経済社会を構築する先進プロジェクトとして有名で,現在まで65万人が視察に訪れています.2008年に政府から環境モデル都市に選定されていますが,温室効果ガス削減目標として,2030年には30%(2005年比),2050年には50〜60%,アジア地域への支援により150%を掲げており,世界・アジアを代表するモデル都市を目指しています.また,「次世代エネルギーパーク」では,未利用エネルギー供給システムの構築,燃料電池車,家庭用燃料電池などを展開する水素エネルギーモデル地区の形成などに取り組み,公害克服から奇跡の環境再生,そして、アジア各国に向けて多くの視察,研修生を受け入れる環境の人材育成拠点を形成しています.
講演会前日の2011年7月15日(金)には,安川電機ロボット工場・新日鐵八幡製作所とともに,上記次世代エネルギーパーク,エコタウン実証研究エリア見学を予定しております(講演会参加者無料です).皆様の参加をお待ちしております.
九州工業大学 野田尚昭,黒島義人,山田 宏
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