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No.16『逆転の発想--<反転艤装>新幹線電車の意外な製作方法--』日本機械学会第81期 財務理事 |
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10月から品川発着のダイヤもできて、ますます便利になる新幹線であるが、その車両は製造過程で<反転艤装(ぎそう)>という逆転の発想のお手本のような手法で製造されていることをご存知だろうか?反転艤装とは車両を上下180°回転させて上向き作業を下向き作業に変え、艤装作業の能率と精度を著しく高めた作業方法のことである。この設備が開発されたのは1986年頃とのことであるが、ご存じない方も多いように思うのでこの機会に紹介させていただきたい。 8月初め、私は、本コラム執筆取材のために、山口県下松(くだまつ)市にあるH社の車両工場を訪問した。この工場は、大正時代創業の歴史ある鉄道車両工場である。
上の記録写真をご覧いただきたい。写真は1991年に撮影された300系新幹線(現在「ひかり」「こだま」に使用されている車両)の先頭車両である。運搬台車に乗せられてきた車体が反転装置の間に入ってきて、車体を浮かせ、運搬台車を退避させる(写真左)。反転装置は写真に写っている手前側と、写真では見えていない後ろ側にある。車両の両端が連結器部分で反転装置の治具(赤い部分)に結合され、両端支持の状態になる。これを180°回転させて反転完了。この状態で作業者は天井部分の艤装を下向きで行うことができる。重力に逆らうことがないので作業の能率も精度も著しく向上する。反転作業をしている現場で実物を見ると、とにかくすごい迫力である。 |
Last Update 2003.8.22
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