部門長挨拶アーカイブ
2023年度部門長挨拶
第101期バイオエンジニアリング部門の部門長を仰せつかりました中西義孝(熊本大学)と申します。
幹事会メンバーの石川拓司先生(副部門長,国際ジャーナル委員長),出口真次先生(部門幹事),東藤正浩先生(総務委員長),坂元尚哉先生(企画委員長),佐藤克也先生(広報委員長),須藤亮先生(渉外委員長),森脇健司先生(次世代委員長)とともに,部門の運営に努めてまいりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
バイオ+エンジニアリングという懐が広く・深い部門は1987年に設立されました.バイオの定義はさまざまかと思いますが,私見では研究・応用対象は生物およびこれらに影響・作用・関連を与えるすべてを含むと考えております.エンジニアリングの捉え方も人それぞれですが,私感ではシステム系単体または群体をマルチスケールやマルチフィジックスの観点から探求・応用されているかと感じております.このような広く・深い部門の深化と発展にはさまざまなバックグラウンドをお持ちの人々のワイガヤが必要不可欠と思っております.
コロナ禍にようやく終わりが見えてきました.コロナ禍で経験できたことも含めながら,部門としてどうやれば個々のご研究の深化と発展のご支援だけではなく,新しい連携や思いつき・気づきの場ができるか?そのための環境づくり等を運営委員会メンバーと議論し,進めて行こうと思っております.皆様方からもご意見など頂けますと幸いです.本年度,どうぞよろしくお願いいたします.
2022年度部門長挨拶
第100期バイオエンジニアリング部門の部門長を務めます九州大学の工藤です.
第100期は,幹事会メンバーの中西義孝先生,出口真次先生,長山和亮先生,岩崎清隆先生,中村匡徳先生,山西陽子先生,石川拓司先生,今井陽介先生,大谷智仁先生と部門運営をおこなっていきます.
1987年にバイオエンジニアリング部門が設立され,当初は物珍しい分野だったかと思いますが,先生方の大変なご尽力で現在は機械系の研究・教育機関などに生体を対象としたグループが1つはあるのではと思います.研究分野も当初から発展し,基礎研究領域では様々な研究分野で優れた研究が展開され,応用研究においても医工連携の工学サイドの中核を担う研究が展開されていると思います.
医工連携に関しては,個々の研究者レベルでは精力的すすめられているかと思います.今後は,部門として医工連携の輪を広げていく方策を検討していきます.
一方,産学連携については,なかなか進んでいないのが現状だと思います.特許などの性質上,産業界が最先端の情報を共有するということは非常に難しいかと思ってます.別の形で人的交流をすすめ産学連携を推進する方策を検討していきます.
医工連携,産学連携だけではなく,化学,電気・情報などの工学間での連携も重要であると思っております.今後は,境界領域を広げながら,個々の研究や共同研究が活性化する場を提供していきたいと思っております.
部門活動は上記以外にも様々な分野に及んでいますが,当初の目的を達成しているものや,今後必要なものを整理する必要があると感じてます.立場にかかわらず自由に意見を述べあい,議論しあうことで部門活性につながる様々なアイディアが出てくると思っています.そのための環境づくり等を運営委員会メンバーと議論し進めていきます.皆様方からも,こうしてほしいというご意見等ございましたら,いつでもご連絡ください.部門活性化のために頑張りたいと思いますので,ご協力どうぞよろしくお願いいたします.
2021年度部門長挨拶
このたび,バイオエンジニアリング部門長を仰せつかりました.
1987年に当部門が発足してから34年が経ちましたが,発足3年目に開催された第1回バイオエンジニアリング学術講演会(現:バイオフロンティア講演会)に,前部門長の片岡先生とともに初登壇して以来,常に当部門にお世話になってきました.当部門は,バイオメカニカルエンジニアリング,バイオメディカルエンジニアリングおよびバイオテクノロジーを研究分野の三本柱として,医学・生物学と機械工学の融合分野における多様な研究者や技術者に貴重な交流の場を提供しています.2021年4月時点での部門登録者数は第1位から第3位登録者までで1,870名であり,日本機械学会内では中・大規模部門に分類されます.ここ10年ほど登録者数が減少することがないのは,ひとえに当部門の皆様の熱意とこれまでのさまざまな取り組みの賜物です.私が皆様と交流させていただき,楽しく仕事ができる環境を得,多くのプロフェッショナルな刺激を受けられることは,幸運なことだと思っています.今期,運営委員会等の方々,そして皆様とともに魅力ある部門を目指して,微力ながら貢献できればと考えています.
現在,新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより,社会全体がその脅威に晒されています.医療におけるその克服は喫緊の課題であり,診断や治療に関わる医薬品や医療機器の迅速な研究開発と実用化が必要な状況は依然として続いています.当部門の中にも,その対応に追われている方々がいらっしゃるのではないでしょうか.コロナ禍以前は,治療薬やワクチンなどの医薬品,PCR検査機器,人工呼吸器およびECMOなどの医療機器に対する知識は,医師や専門家しか持ち合わせておりませんでしたが,感染症への恐怖でまたたく間に世間に知れわたることとなり,注目が集まっています.バイオメディカルエンジニアリング分野だけではないと思いますが,診断や治療に携わっている医療現場の先生方に,直接的・間接的に,安全・安心な医療技術の提供やその後押しをすることが今後も必要になっていくと思います.
学会の意義は,互いに切磋琢磨して研究や技術に磨きをかけることであり,連携や協力により成果を拡大することです.当部門の強みは,機械工学をベースとして磨きぬかれてきた学術研究レベルの高さです.その高さゆえに挑戦的で新しい研究や技術を生み出したり,国際会議の開催による交流や医学系学会とのコラボレーションなどを実現したりすることができており,当部門は発展し続けていると感じています.医工連携を含むさまざまな連携において重要なことは,われわれ工学者は,工学側からの正しい知見を常に発信し,医学等の相手側ひいては市民に信頼されることです.そのためには,専門的な知見を深め論理力や分析力,はたまた設計力を強めることが必要です.一方,日本機械学会は,分野の壁を越えた活動の活性化を求めており,当部門でも分野連携企画が年次大会等で実施されますが,この際にも同様であり,異分野の研究に刺激を受けながらも正しい専門的な知見をもって交流することが重要です.
当部門におけるすべての分野において,そのプラットフォームを形作り,その中でトップランナーを輩出し,さらには次世代の芽が育つように研究者や技術者を励まし,より良い研究ができるように皆様のお力をお借りしながらお手伝いしていきたいと考えています.これから一年よろしくお願いします.