3.研究会報告


・ 「計測と力学ー生体への応用」研究会

・ 「制御と情報─生体への応用」研究会

・ 「生体システム技術」研究会

・ 「生体機能の解明とその応用に関する」研究会

・ 「高齢社会に向けた福祉機械工学に関する研究分科会」



「計測と力学ー生体への応用」研究会

主査:狩野 猛(北海道大学)

幹事:但野 茂(同)    

 平成10年度は、下記の研究会を開催いたしました.次の日バイオエンジニアリング部門運営委員会が開催されたこともあり、全国から多数の先生方に参加して頂き、大変活発な討論・意見交換が行われました.また、研究会後の恒例となりつつある(?)忘年会も諸先生の御協力により大変盛況でした.今年度も同時期に研究会を開催する予定ですので、多数の御参加をお待ちしております.

日 時: 平成10年12月18日(金)

  13:30〜17:00

場 所: 北海道大学学術交流会館 第1会議室

(札幌市北区北8条西6丁目)

話題提供:

(1)「カラーMモードドプラ法による左室拡張機能評価」

  三神大世 北海道大学医療技術短期大学部衛生技術学科

     西原馨子、北畠顕 北海道大学医学部循環器内科

(2)「原子間力顕微鏡による鋤鼻組織の糖鎖分布測定」

    林  美明 オリンパス光学工業株式会社光学機器開発部

(3)「細胞近傍の微視的な流れの計測」

   谷下 一夫       慶應義塾大学理工学部

(4)「流れの解析による軸流型血液ポンプの溶血の研究」

   三田村好矩    北海道大学大学院工学研究科

   中村 広樹       北海道東海大学工学部

(5)「生体組織のナノ秒時間分解顕微蛍光測定」

   荒木  勉   大阪大学大学院基礎工学研究科

連絡先 

  北海道大学大学院工学研究科機械科学専攻 但野 茂

  060-8628  札幌市北区北13条西8丁目

  Tel & Fax 011-706-6405

  E-mail: tadano@eng.hokudai.ac.jp



「制御と情報─生体への応用」研究会

主査 和田 仁(東北大学)

幹事 早瀬敏幸(同)   

 今年度は、下記の研究会を開催いたします。多数の参加を期待しています。

1回目: 日時 1999年7月22日 (木)

    会場 東北大学工学部青葉記念会館

    演題 An electric motor in a biological cell

    講師 Dr. K.H. Iwasa (National Institutes of Health, USA)

2回目: 日時 1999年7月23日 (金)

    会場 東北大学工学部青葉記念会館

    演題 聴覚皮質の時空間的活動パターンの光学的計測

    講師 堀川順生先生     (豊橋技術科学大学)

    演題 脳機能画像法による聴覚言語機能の評価

    講師 内藤泰先生          (京都大学)

連絡先:東北大学流体科学研究所  早瀬敏幸

Tel: 022-217-5253

Fax: 同上

Email: hayase@ifs.tohoku.ac.jp



「生体システム技術研究会」の活動状況

主査 村上輝夫(九州大学)

幹事 大月伸男(同)   

 当研究会は,広範な研究領域をを対象にしており,平成10年6月には九州工業大学情報工学部 (飯塚市)において,喜多村直先生のお世話により第9回研究会を開催し,バイオリアクター・視覚センサ・高分子アクチュエータに関する最新研究を紹介いただきました.第10,11回は,九州大学で開催し,第10回については日本ME学会バイオメカニクス研究会(世話人:廣川俊二九大教授)と共催で運動系・画像処理関連の研究会を行いましたが,熊本水頼先生(イメージ情報科学研)にも研究活動の紹介をしていただきました.第11回「分子・細胞・生体組織工学」では,異なった各専門分野からの話題を紹介いただきました.各題目を別記しますが,話題を提供いただいた諸先生および熱心に討論・参加いただいた諸氏に感謝いたします.

[開催内容]

第9回

日時:平成10年6月18日(木)

1.代謝システム解析法の開発とバイオリアクターへの応用

     清水和幸    (九州工業大学情報工学部)

2.生物の視覚とアナログ知能視覚センサ

(2-1) 網膜神経細胞の活動メカニズム

    林田祐樹・八木哲也   (九州工業大学情報工学部)

(2-2) 網膜の視覚機能を取り入れたアナログ知能視覚センサ

     亀田成司・八木哲也   (九州工業大学情報工学部)

3. 高分子の電解伸縮によるアクチュエータ

    金藤敬一    (九州工業大学情報工学部)

第10回

日時:平成10年12月4日(金)

1.運動の個人差のモデル化

     木村  広     (九州工業大学工学部)

2.平面図形の対称性解析アルゴリズムとその医用工学への応用

    福島重廣    (九州芸術工科大学大学院芸術工学研科)

3.センサペグボードテストについて

    岡田良知    (日本文理大学経営工科)

4.画像計測による人の動作の3次元復元

     石川 聖二     (九州工業大学工部)

第11回

日時:平成11年5月20日(木)

テーマ 「分子・細胞・生体組織工学」

1. 圧縮変形を受ける細胞の生存率の測定

    高松 洋 (九州大学機能物質科学研究所 )

2.タンパク質分子モーターの作動機構 

  ― タンパク質構造の熱揺らぎ,

    タンパク質分子摩擦,滑り駆動力 ―

    太和田勝久  (九州大学大学院理学研究科)

3.人工関節周囲骨吸収のメカニズム 

      ― 摩耗紛に対する生体の反応 ―

    中島康晴    (九州大学医学部整形外科)

   R. Lane Smith  (Stanford University, USA)

     岩本幸英    (九州大学医学部整形外科)

4.生体組織工学の展望

    立石哲也     (通産省工技院産業技術融合領域研究所)

連絡先 九州大学大学院工学研究科

    知能機械システム専攻 村上輝夫 

    〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1

   Phone : +81-(0)92-642-3440

   Fax : +81-(0)92-631-4789

   E-mail : tmura@mech.kyushu-u.ac.jp



「生体機能の解明とその応用に関する」研究会

主査 山口隆美(名古屋工業大学)

幹事 山田 宏(名古屋大学)  

 平成10年度は田中英一主査(名大)の下で10月23日−24日に名古屋大学にて第17回研究会(共催:第2回トヨタヒューマンライフ支援バイオメカニクスシンポジウム)を開催し,工学・医学分野や自動車産業界等の幅広い分野からの参加者の間で,活発な討論が行われました.

1."Mathematical Simulation of Crash Events - Current Situation and FutureWork -,司会:J. Kajzer(名大),パネリスト:萩原一郎(東工大),水野幸治(運輸省交通安全公害研),L. T. Kisielewicz(日本ESI), 石川博敏(日本自動車研),速水則行(豊田中研)

2.特別講演「生体組織の機能的適応と再構築のバイオメカニクス」林紘三郎(阪大)

司会:田中英一(名大)

3.「交通傷害防止へのインパクトバイオメカニクスの役割−工学と医学の連携−」,オーガナイザー:小野古志郎(日本自動車研),講演:「スポーツにおける頭部外傷とその防御」小林肇(東大),「むちうち損傷の病態と傷害メカニズム」金岡恒治(東京厚生年金病院),「エアバッグ展開が人体傷害に及ぼす影響について」河野元嗣(筑波メディカルセンター病院),「交通外傷患者と画像診断」西山隆(香川医大),「人体下肢有限要素モデルの開発」古巣克也(豊田中研),「自動車の前面衝突における足首傷害に関する研究」北川裕一(日産自動車)

4.「力学的刺激と細胞・生体組織のリモデリング」,オーガナイザー:佐藤正明(東北大),講演:「機械刺激による細胞の形づくり」曽我部正博(名大),「血流による血管のリモデリング」増田弘毅(秋田大),「高血圧に対するラット胸大動脈平滑筋の力学応答」松本健郎(東北大),「歯科矯正における歯槽骨のリモデリング-破骨細胞出現部位と力学量-」山本克之(北大),「骨の残留応力と再構築平衡における構造最適性」田中正夫(阪大)

5.「新しい時代の高齢・福祉社会」,オーガナイザー:原利昭(新潟大),但野茂(北大),講演:「高齢者のエラー判別能力に関する研究−性格面との関連について−」西口宏美(九州看護福祉大),「高齢者の職業能力開発支援」磯村恒(職業能力開発大学校),「高齢者の環境適応力」徳田哲男(東京都老人総研),「電動車椅子の雪路走行性能評価と走行シミュレ−ション」但野茂(北大),「高齢者の歩行や認知能力の解析・評価」原利昭(新潟大)



「高齢社会に向けた福祉機械工学に関する研究分科会」

主査 原 利昭(新潟大学)

 2000年からいよいよ介護保険制度がスタートすることもあって高齢社会に対する考え方がより一層現実問題として認識されるようになっている。同時に、福祉介護分野での企業化が全国的規模で図られており、これに対する考え方も様々なものがある。しかしその一方で、企業化と共に技術的問題にどの様にして対処するかは、余り論じられていないようである。既に部分的ではあるが、乱立の気配を見せ始める企業化傾向に対し、生き残りをかけた差別化を考慮する上でのローテクからハイテク利用機器の導入・開発競争も活発なっている。通常、この種の分野に対し、アカデミックな雰囲気がやや希薄で、特に、機械工学を専門とする大学教官には研究対象としてやや遠い存在と考える傾向がある一方で、社会貢献という観点からは極めて重要な研究対象と言えるであろう。この様な考え方もあって、高齢社会でエンジニアが果たすべき役割を再度見つめ直し、次の時代に対応することが重要との観点から、本研究分科会は構成員24名の規模で平成10年度にスタートした。本分科会の特徴は、講演や話題提供のみではなく、更に現場を見て実状を十分認識する機会を持つため、参加者にとって毎回十分な満足感が得られることにある。第1回〜4回目の分科会概要を以下に示す。興味のある方は是非ご参加下さい。

第1回目:平成10年12月8日開催 (機械学会第2会議室)

話題:・「在宅福祉機器の機能評価」

      但野 茂   (北大)

   ・「高齢者の適応能力」

      徳田哲男   (都老人総研)

   ・「研究から見た通産省における福祉機器開発」       

      橋野 賢   (機械技研)

第2回目:平成11年2月1日開催 (福祉のまちずくり工学研究所)

開催担当:中川昭夫    (兵庫リハセンター)

     田中政夫    (大阪大学)

話題:・「高齢者支援ロボットとその要素技術」               手嶋教之   (立命館大)

   ・「高齢者施設および在宅障害者の現場のニーズか ら」         小嶋功    (兵庫リハセンター)

見学施設:兵庫県立総合リハビリテーションセンター  

第3回目:平成11年3月12日開催 (久留米大学リハビリテーションセンター)

開催担当:田川善彦   (久留米工大)

     日垣秀彦   (九州産業大学)

話題:・「バリアフリーと住居環境」

      藤本尚久  (西日本工大)

   ・「水回りの福祉機器の開発」

      栗山郁夫  (東陶)

   ・「臥位における下肢用運動療法支援ロボットの開発」    

      榊 泰輔  (安川電機)

   ・「高齢者を対象としたバイオメカニクス」         

      原 利昭  (新潟大)

見学施設:久留米大学リハビリテーションセンター

第4回目:平成11年6月18日開催(労災リハビリテーション工学センター)

開催担当:森本正治   (労災リハ工学センター)

     田中英一   (名古屋大)

     石山慎一   (豊田中研)

     渡壁 誠   (愛知県コロニー)

話題:・「長寿医療研究の紹介」

      原田 敦  (国立療養所中部病院)

   ・「障害者用特殊車椅子について」

      佐藤正之  (自転車産業振興協会技術研究所)

   ・「ふつう自動車でのバリアフリー対応」          

      柴田園子  (トヨタ)

   ・「筋音図の設計」 

      渡壁 誠  (愛知県コロニー)

   ・「脊損者用下肢装具の計測評価」

      森本正治  (労災リハ工学センター)


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