当部門では平成10年度の部門賞につき,功績賞には阿部博之氏(東北大学・総長),業績賞には大場謙吉氏(関西大学・教授),瀬口賞には池田忠繁氏(名古屋大学・講師,現助教授)を選び,1999年3月につくば市の工業技術院共用講堂にて開催した第11回バイオエンジニアリング講演会で表彰式を行いました.
阿部博之氏は当部門の発足に多大な貢献をされるとともに,当部門の研究会の主査,第3回日米中バイオメカニクス会議のCo-Chairman,第5回同会議の大会長,日本ME学会バイオメカニクス研究会の会長を歴任され,バイオメカニクス研究の全国的普及を含めたこれまでの功績が高く評価されました.
大場謙吉氏は血液等の不透明流体測定用2ファイバー型レーザードップラー流速センサーや瞬時・局所の液速度分布可視化のためのレーザー誘起蛍光法の開発,静脈や冠動脈血管を模擬したコラプシブルチューブ内の流れの自励振動と脈波の伝播現象の解明等,国際的に評価の高い研究業績を挙げられました.
池田忠繁氏は血管や気管に代表されるコラプシブルチューブに生じる自励振動の挙動解析のための簡便な数学モデルの提案・解析と実験的検証,声帯振動を考慮した音声生成に関する研究,遠心式人工心臓内の流れの可視化解析等,質の高い研究成果が評価され,今後の活躍が期待されています.
第76期総務委員長 山口 隆美