3.2 第9回バイオエンジニアリング学術講演会サマーセミナーを終えて

東京工業大学大学院   

清水優史

 第9回の学術講演会・夏季セミナーは昨年(1998)6月13日(土)から15日(月)まで横浜市金沢区の埋め立て地にある国際研修センターで行われた。このセンターはJR根岸線の新杉田駅または京浜急行線の金沢八景駅から、無人運転のシーサイドラインに乗り換えなければならず交通の面では少し不便であったが、100近い人が比較的安価に泊まれる上会議室も同じ場所にあることからこの会場が選ばれた。

 天候の優れない3日間ではあったが、72名の方が参加者され活発な質疑応答が行われた。ちなみに、学生の参加者は約半数の35名であった。

 この講演会の若い研究者を対象とするという趣旨から、例年の例に従い以下の5件のレクチャーが行われた。

    初日の土曜日に
     
  1. 皮膚の摩擦      笹田 直 千葉工大 教授  
  2. 脊椎インスツルメンテーションとバイオメカニクス   原 利昭 新潟大 教授  
  3. 耳音響放射      和田 仁 東北大 教授

    2日目の日曜日には  

  4. コラプシブルチューブの座屈・大変形とチューブ内の脈波の伝播  大場謙吉 関西大 教授  
  5. 生体における摩擦・摩耗・潤滑    ―バイオトライポロジーの視点―  村上輝夫 九州大 教授

 これらのレクチャーはいずれも興味深い内容で若い人達に確かな刺激を与えたのではないかと思う。

 一般講演の数は44であり、2室を使って約1日半にわたり発表および質疑応答が活発に行われた。

 また一日目の夕方には立食形式で懇親会が行われたが、若い人達の出席が少なく、目的の一つとした実年と若い人の交流が十分に行われなかったのは残念であった。

 今回の宿泊施設はホテル形式であったため、風呂および夕食後の交流ができにくかったのは反省点である。また、東京近郊の人、特に若い人達、は宿泊しなかった方が多く、この点も開催場所を選ぶときに考慮すべきであったと考えている。格安に泊まれる温泉のある日本式宿などが理想的な場所であろうか。



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