徳島大学工学部機械工学科

教授・坂巻清司

機械科学講座材料力学研究室

 私は昭和42年頃から先輩教授の指導のもとで,金属材料の衝撃特性について研究をはじめ,衝撃一筋に約20年間研究を続けてきた.働けど働けど前がみえなく,むしろ泥沼化する衝撃問題に,適当なところで研究内容をまとめたのがきっかけで,ある日思い切って(まだ未練は持っているが)テーマ変更した.当時新素材といえば誰もが飛びついたものでした.形状記憶合金の開発と応用,超耐熱を目指したin situ 複合材料の開発,TiAlなどの金属間化合物の特性と加工性改善,および従来型の材料力学そのものである構造物の応力解析などの研究はそれ以来十数年間続けている.いずれのテーマもかなりの装置と消耗品の多くを必要とするもので苦労している.

 7年ほど前にスポーツ障害を専攻している医師に疲労骨折の力学的考え方について質問をうけたのが機で,バイオエンジニアリングに時たま顔を出すようになった.人骨の主要な骨について,外力を受けたときの骨断面内応力状態を徹底的に解析しようと思い,今日まで続けている.まだ数年しかバイオエンジニアリングには席をおいていないが,学会では多彩な方々との出会いがあり,副業として始めた骨バイオの研究だが,益々興味がわいてきた.当分この分野で楽しめそうです.ご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします.



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