「生体システム技術」研究会

主査:村上 輝夫 (九州大学)

幹事:大月 伸男 (九州大学)

 当研究会は,中国・四国・九州地区を対象にして活動しており,平成9年7月に愛媛大学地域共同研究センター(松山市)において,清水 顯 先生(愛媛大学工学部)のお世話により,第6回研究会「生体心理情報および植物バイオエンジニアリング」を開催していただきました.生体心理情報では,人にやさしいロボットの運動とは何か,心理情報を定量化して運動制御に利用できないかについて,他方,植物バイオエンジニアリングでは,植物の持つ環境浄化能力を人間の感性の立場から解明し,アメニティ空間を創造する新奇な研究,および一つの生体である果物を味覚を変えずに如何に巧く貯蔵するのか,そのプロセスに関する最新の研究を紹介いただきました.

 第7,8回は,九州地区で開催し,第7回「Biotribology on Natural Synovial Joints and Artificial Joints」では,機械学会百周年記念国際会議出席を兼ねて来日中の英国の研究グループに生体関節の潤滑機構や人工関節に関する数値解析と摩耗解析について講演していただきました.第8回介護・リハビリ支援技術」では,社会環境を含む介護・リハビリ現場の実態と各種支援技術や創意工夫の要点,VRの利用現況等を紹介いただきました.各題目を別記しますが,最新の話題を提供いただいた諸先生および熱心に討論・参加いただいた諸氏に感謝いたします.(研究会E-mailアドレス:biosys@rc.kyushu-u.ac.jp)  (村上)

【開催内容】

第6回

日 時 平成9年7月4日(金)

「生体心理情報および植物バイオエンジニアリング」

1. 生体心理情報の計測と解析

   柴田 論(愛媛大学工学部機械システム学)

2. 植物によるアメニティと緑化空間における感性の評価

   仁科 弘重(愛媛大学農学部緑化感性工学)

3. 果実貯蔵プロセスにおける熱処理の最適化

   森本 哲夫(愛媛大学農学部生物環境情報システム学)

4.ロボットと共存のための生体心理情報

サビ モハメド ベンラミン(愛媛大学大学院理工学研究科)

第7回

日時:平成9年7月15日(火)

テーマ 「Biotribology on Natural Synovial Joints and Artificial Joints」

1. Investigation into the effect of glycoproteins and phospholipids on the friciton of articular cartilage.

Jenny Pickard (The University of Leeds, UK)

2. Prediction of lubricating film thickness in knee prostheses with

compliant layers.

Z.M. Jin (University of Bradford, UK)

3. Quantification of polyethylene wear debris in explanted Charnley hip prostheses

J. Fisher (The University of Leeds, UK)

第8回

日 時 平成9年12月15日(月)

テーマ 「介護・リハビリ支援技術」

1.人にやさしいテクノロジー

  ― 機能訓練・福祉領域のエンジニアリング ―

  高杉紳一郎(九州大学医学部付属病院リハビリテーション部)

2.工学と介護技術の接点

  松尾清美(総合せき損センター医用工学研究室)

3.VRを用いたリハビリ支援システムの試み

  竹田 仰(長崎総合科学大学機械工学科)



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