1.日本機械学会の情勢と当部門の対応

			                   バイオエンジニアリング部門長
                                                          大場 謙吉
 100周年を迎えた日本機械学会は次の100年に向けて新たに様々な取り組みを始めている。その概要は第二世紀委員会、第二世紀将来構想委員会の報告書等をご参照頂くとして、ここでは、当部門に関係が深いと思われる主要事項について私見も付け加えながら時系列的に紹介したい。

*部門の見直し問題: 「中間答申」では、部門を学会の学術専門分野の活動の中心母体とするが、同時に現部門を再編・改廃するという方針が示された。それに従って、1996年4月より部門協議会において部門見直しの討議が始まり、各部門から自己点検・評価を含めた意見書を提出した(5,6月)。将来構想委員会部門検討WGでの現行20部門を10部門に半減して、再出発という私案も披露されて、危機感を募らせた時期もあったが、その後進展が無く、当面は現行の全部門が継続という形になっている。

*部門事業会計の取り扱いについての暫定措置: 機械学会は悪化している本部財政を立て直すための措置を実施し始めており、部門交付金についても機械学会より「繰越金が交付年額の5倍以上の部門は翌年の交付金と繰越金の一部を自主的に本部会計に繰り戻さなければならない」という趣旨の通達が1997年春に届いた。当部門は部門交付金961,000円、繰越金211,907円(1997年度)と弱小で全くの対象外である。当部門にとって影響が大きいのは通達の後段で、そこには講演会の事務費負担について、「講演会等の収入の10%を学会会計に繰り入れる」と書かれている。例えば、500万円の予算で講演会を行った場合、50万円を自動的に本部会計に持って行かれることになり、従来と比べて講演会収支は非常に厳しくなる。抵抗を試みたが、決まった後だった。講演会の予算はこのことを念頭に置いて立てる必要がある。

*JSME International Journalの編集権の部門移管: Journalの活性化のための編集権の部門移管がワーキンググループで検討されている。このWGには参加を希望した11部門が参加し、当部門からは清水・副部門長に代表委員として出て頂いている。部門としては、論文集の特集号のようなものを年1回位発行するとか、アジア各国からの論文を掲載して世界に知らせるなどが考えられよう。

*評議員選挙の当面の見直し: 学会運営の基盤を各専門分野を表わす「部門」と地域に密着した「地区(支部)」の両方に置く方針の下に、部門からの選出評議員を現行の支部選出評議員に加える。支部から186名、部門から54名で、当部門の割り当ては2名と少ない。次期会長候補者である筆頭副会長は評議員会において評議員の中から選出される。

*学会の年間行事の変更: 現行の通常総会講演会と全国大会講演会を統合し、年次大会講演会と名称変更し、毎年7月下旬に実施する。第1回年次大会は1999年7月27日(火)〜7月29日(木)の間、慶応義塾大学三田キャンパスにおいて開催される。実施案としては、3年に1度関東地区で開催し、残り2年は各地区(支部)持ち回りとする。順番は従来の全国大会開催の順番を踏襲する。当部門の「バイオエンジニアリング講演会」は1月下旬開催で、動かす必要は全く無いと思われるが、「学術講演会・夏季セミナー」(通常、7月開催)は開催時期を再検討する必要があるだろう。


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