6−8. 『生命環境と流れに関する』研究分科会報告


主査:松崎 雄嗣(名古屋大学工学研究科)
幹事:谷下 一夫(慶應義塾大学理工学部)

 生体は分子細胞レベルの現象が統合されてある特定なマクロの機能を生み出してい
る。即ち様々なレベルの環境の条件変化に適応して、ある適切な生体活動を行ってい
る。このような生体・生命活動を維持するために。生体内外の流れが重要な役割を果
たしており、研究分科会で集中的な議論を行う必要があるとの観点から分科会を設置
した。平成8年度では2回の分科会(大阪で2回)を開催し、合計13件の研究発表
があった。研究発表の後、極めて活発な討論がなされた。発表内容は内皮細胞と流れ
に関する研究、動脈硬化症の局在性、血管壁の変形と流れ、鞭毛運動の水中推進機
構、昆虫の飛翔時の呼吸特性、コラプシブルチューブ内流れの解析、微小血管におけ
る脈波の伝播、大動脈内流れのシミュレーション、腎内微小循環の可視化、流れずり
応力による血管内皮の遺伝子発現調節、流れ負荷時の培養内皮細胞の応答、血管内皮
由来一酸化窒素生成の心血管系での直接計測、動脈硬化局在化に関する理論的検討、
変形する厚肉壁に対する流れの影響、真核生物の鞭毛運動を規範とした水中推進機構
の諸問題など多岐に渡っている。


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