『バイオエンジニアリング部門賞(瀬口賞)を受賞して』

	                               北海道大学
                      		                          大学院工学研究科
                      		                            機械科学専攻
                      		                             藤木 裕行

 第5回の瀬口賞を頂き,ありがとうございます。瀬口賞は皆様ご存じの通り,バイ
オエンジニアリング部門の若手を対象とした非常に由緒ある賞で,私のような若輩が
貰えるものだとは思っていなかったので,非常に驚いております。これもひとえに,
本賞に推薦をして頂き,またバイオエンジニアリングに関する研究の機会を与えて下
さり,さらに常日頃から研究に適切なご指導を頂いた北海道大学の石川先生,具体的
な研究テーマをご指導頂き,いつも医学に関して無知な私がする訳の分からない質問
に親切なご回答を頂いた北海道大学医学部の安田先生を始め,機械学会の諸活動等を
通じて多くの先生方に有用なご指導を頂いたおかげであります。この場を借りて皆様
に感謝申し上げます。
 私がバイオエンジニアリングの分野で研究を始めるようになったのはそれほど昔の
話ではなく,機会があって北海道大学の助手に採用されたのが6年ほど前で,当初は
コンピュータシミュレーションによる金属材料の摩耗に関する研究をしていました。
その後,医学部の安田先生より人工膝関節における超高分子量ポリエチレンの摩耗に
関する問題を聞き,それまでの研究を応用できるということと,自分に最も身近な対
象である人体に関しての研究であること,特に学生時代に運動で左足の内側側副靭帯
を切断・手術したときから膝関節に大きな関心を持っていたためこの分野にのめり込
み,それから5年あまり人工膝関節を中心として研究を続けております。瀬口賞はは
じめに書いたように本部門の若手研究者を対象とした賞ですが,これまでの成果を誉
めるのではなくこれからの活躍を期待した賞で,つまりこの賞を頂いただいたんだか
らこれからもより精力的に研究を進めて行きなさい,という励ましの賞だと考えてお
ります。これからもこの賞の名前に負けないよう,よりいっそうの努力を重ね研究を
進めていきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。


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