バイオエンジニアリング部門は、日本機械学会の創立100周年を記念して、特色あ る国際会議(International Conference on New Frontiers in Biomechanical Engineering、平成8年7月18日(金)および7月19日(土)、東京国際フォーラム にて開催)を行う。 近年の機械工学は研究分野を積極的に開拓し、新しい科学技術の創生に大きな役割 を演じている。なかでも、機械工学の手法を用いて生物や医学の問題を解決すること を目的としてスタートしたバイオエンジニアリングは、目覚ましい進歩を遂げてい る。最近では本領域における研究成果により、生物の機能が分子レベルや細胞レベル から、個体レベルまで明らかにされつつあると同時に、生物に学んだ知識を工学に応 用する試みも行われている。本会議では、そのような研究の発展と近年の状況を踏ま えて、この領域における基礎研究から応用研究に至る最先端の研究の成果を発表し、 議論を行う。 講演応募を行っているセッションには、Musculoskeletal Engineeringや Biofluid Engineeringなどの従来からの重要テーマに加えて、最近の話題となってい るCellular and Molecular Engineering、Neural and Sensing System、 Biomedical Robotics、Biomedical Micromachine等のテーマが含まれている。 これらのセッションに関する優れた研究の発表を国外・国内の企業および大学等の研 究機関から応募し、80題ほどの一般口演を組む。また20名ほどの国外・国内の著明な 研究者に基調および招待講演を依頼し、上記セッションに関連する総括的、啓蒙的講 演をしていただく。これらの研究に関する詳細を知り、ホットな話題に接することが できるであろう。また、シンポジウム形式で行われるHorizon of Biomechanical Engineeringのセッションでは、企業および大学等の研究者による話題提供をもと に、21世紀に向けてのバイオエンジニアリングの将来展望と研究の発展すべき方向に 関する議論を行う。本セッションを通じてバイオエンジニアリングに関連する新しい 産業の誕生の予測を行うことも可能であろう。 100年という機械学会の歴史から考えると、本部門はまだ若い。しかし、生体に関 する関心は古今を問わず誰もが持つものであり、今後21世紀に向けて、バイオメカニ クスに関係する諸問題の解決にさらに大きな関心と期待が寄せられるはずである。本 会議はそのような時代の要求に応えるべく、本部門が腕によりをかけて企画する国際 会議である。 バイオエンジニアリング部門国際会議幹事 藤江 裕道
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