5−1.バイオエンジニアリング部門の行事報告と予定


 新年おめでとうございます。本年もバイオエンジニアリング部門が益々発展します
よ皆様のお力添えをお願いする次第です。新年度を迎えバイオエンジニアリング部門
の技術委員会関連の行事としましては第11回見学会が平成9年1月24日(金)
13:15〜16:30、京都市の島津製作所本社三条工場で行われる予定です。当日は第9回
バイオエンジニアリング部門総会・講演会の前日に当たりますことから、全国のバイ
オエンジニアリング部門関係の皆様方、できるだけ日程を工夫されて見学会に参加し
て頂けるよう取扱い願えれば幸いです。この見学会の趣旨としては、発展を続ける最
先端医療産業と関連技術は現在どのような状況なのでしょうか。ということで我国の
三大医療メーカの一つである(株)島津製作所本社、三条工場の見学会を企画しまし
た。計測機、技術の島津で有名になった島津製作所の創始者、島津源蔵は我国最初の
医療用X線撮影装置を考案製作したことで知られています。超音波、SPECT、
CTさらにはMRIに代表される画像診断装置や血液、細菌、脳波、心電図検査に代
表される生化学検査装置など工学技術との関連や最新鋭技術の応用など私達にも関係
が深く学ぶべきものが多々ありそうです。今回はバイオ機器センター(DNA、細胞
融合関連装置)、医用工場(X線装置の組立)、MRセンター(核磁気共鳴画像診断
装置とX線画像装置)、試験センター(各種材料試験機)を見学いたします。奮って
ご参加下さい。定員70名になり次第締切ます。参加費は一般個人(大学,公設研究
所等)2,000円、法人、企業4,000円、学生無料で事前に機械学会事務局の方にて登
録されお支払下さい。
 ここで平成8年度執り行ったバイオエンジニアリング部門技術委員会関連の各種行
事予定を振り返りたいと思います。第74期全国大会総会では技術委員会主催の医用
生体材料フォ−ラム:生体応答制御材料が9月21日(土)の13:00〜17:30まで同志
社大学田辺校舎第15講演室にて開催されました。これはバイオマテリアルに対する
関心が高まる中で先端技術フォーラムの一環として実施されました。最近の最先端の
内容について学界、企業より5人の著名な研究者の方々に解説して頂きました。内容
は生体材料・血液浄化材料(駒井:三重大)、細胞培養臓器(松田:国立循環器セン
ター)、人工皮膚材料(木舟:ユニチカ)、骨組織材料(渋谷:日本電気ガラス)、
人工腎臓膜材料(島垣:東レ)でした。各講師の先生方の長い間の研究やご経験につ
いてユーモア溢れる内容に時間のたつのも忘れて予定時間を1時間もオーバーしてし
まいました。
 第11回バイオサロンは「医用画像とコンピュータ支援診断」という内容にて10
月3日(木)三重大学工学部27番教室(津市)にて開催されました。講演者として
三重大学医学部第一内科講師関岡清次氏と島津製作所システム事業センタ−堀野誠人
氏に登壇していただきました。関岡先生は「コンピュ−タを利用した循環器診断」と
いう演題名で超音波イメージ、MRI、SPECT等の医用画像やコンピュータを利
用した循環器診断とその画像解析についてOHP、スライド、ビデオを豊富に使用し
てお話いただきました。堀野先生には「医用機器における診断支援システムへの取り
組みと現状」という演題名で集団検診のコンピュ−タ診断フローチャートの説明やそ
の信頼度についてあるいは病院での疾患、病巣の発見と診断および治療に対する工学
サイドの技術支援について最新の医療現場と企業の取り組みについて話題提供して頂
きました。参加者合計49名で活発な質疑応答や多岐に渡る質問事項で13:30〜
17:00まで終了時間が1時間延長となり18:00終了となりました。
 第12回バイオサロンは「ソフトコンタクトレンズ,眼内レンズおよび視覚関連の
技術」という内容にて11月8日(金)13:30〜17:00まで愛知県春日井市、(株)メ
ニコン研究所講義室で実施されました。メニコンは眼内レンズメーカとして有名な企
業でハードおよびソフトコンタクトレンズでは国内最大手となっており、視覚関連の
技術について産業界で研究されている第一線の先生方に御講演して頂きました。講師
の先生はメニコン総合研究所副所長中嶋辰登士氏と研究員の豊嶋伸行氏でそれぞれ
「ソフトコンタクトレンズ,眼内レンズの製法と特性評価」「ソフトコンタクトレン
ズ,眼内レンズの医療用具への規制(安全性)」という題名でお話頂ました。内容中
にはソフトコンタクトレンズの材料強度の評価として引っ張り試験機等も使用されて
おり、非常に興味深く講演を拝聴しました。引き続いてメニコン総合研究所の見学会
を17:00-18:00まで行いました。参加者は合計17名と多くはありませんでしたがそ
の分密度の濃い質問や具体的な話ができたようです。
 平成8年度の技術委員会の任期もあと僅かですが来年度に向けて活動の継続と新し
い取り組み準備を進めていきたいと徳田委員長初め委員一同張り切っている次第で
す。
                         技術委員会幹事 八木 一夫

平成8年度バイオエンジニアリング部門技術委員会関係各種行事予定

各種行事名 開催日
開催地
申込締切
主催(担当)
原稿締切
申込先
第11回見学会 97/1/24
京都市
島津製作所
先着70名まで
技術委員会
(徳田,八木)
なし
三重大学
機械工学科
徳田研究室
第9回バイオエンジニア
リング部門総会・講演会
97/1/25-26
京都市
京都大学医学研究科
臨床講義棟
締切済み
講演会
実行委員長
(池内)
締切済み
京都大学
生体医療工学研究センター
池内研究室

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