1―1.第7回バイオエンジニアリング学術講演会・
    夏季セミナーを終えて

			     実行委員長,バイオエンジニアリング部門長
                      		                          関西大学工学部
                                                            大場 謙吉

 標記講演会・セミナーが、「21世紀への挑戦」という主題を掲げて、平成8年7
月20日(土)午後から7月22日(月)昼過ぎまで丸3日間にわたって関西大学
100周年記念セミナーハウス「高岳館」(大阪府高槻市)において開催された。この
講演会・セミナーはバイオエンジニアリング分野の若手研究者・技術者および大学院
生を対象に、研究発表、教育、啓蒙、親睦、情報交換の場を提供し、若手の発表に加
えてこの分野の先達や第一線の研究者による啓蒙的・展望的講演(レクチャー)を数
多く設定し、泊り込みの自由でくつろいだ雰囲気の中で21世紀に向けた新しいバイ
オエンジニアリングの研究・開発を考えようとするものであった。通常の講演会とセ
ミナーを合体させて、同時に行なおうとする大変欲張った企画だったが、幸い大学院
生や若手研究者の皆さんの意欲的な発表申し込みと研究室ぐるみの積極的な参加およ
びレクチャーの講師や座長の先生方の暖かいご協力に支えられて、参加登録者数
153名、宿泊者数115名と、前回までのセミナー参加者数の2倍以上になり、講
演数も普通講演73件と前回の41件から大幅に増加した。その上に1時間もののレク
チャー(特別講演)を6件設定し、非常に充実した内容であったと言ってよいであろ
う。 セミナーは、土屋喜一先生の「ユニークな発想をするには」と題した非常にユ
ニークな、イマジネーション豊かなレクチャーから始まり、佐藤正明先生の動物細胞
の力学的刺激に対する応答の話、急病のため欠席された生田幸司先生に代わって急
きょ講演された桝田晃司先生の生体医用マイクロマシンと医用画像計測の話、藤江正
克先生の医療・福祉ロボットの開発の話と進み、次いで2室に分かれての普通講演が
活発に展開された後、山口隆美先生の計算バイオメカニクスの話が続き、最後は妙中
義之先生の人工心臓と人工肺の開発の話で締めくくられた。親睦とリフレッシュを図
るため初日の夜はレセプションパーティ、2日目の夜は懇親会を設け、さらに両夜と
も二次会を設定して大いに盛り上がったが(私も含めたおじさん達が一番盛り上がっ
ていたとの説もある)、ちょうどアトランタオリンピックの開催と重なり、深夜まで
の飲酒と議論あるいはテレビ観戦のため(?)寝不足気味の人が見受けられたようで
あったが、本当はどうだったのだろうか。
 今回の講演会・セミナーが若手研究者や院生に対する刺激になり、研究が進展する
ことを願うとともに、レクチャーの講師、座長の先生方、発表者・参加者の方々、お
よび準備から実行、後始末まで頑張ってくれた関西大学の実行委員・大学院生の皆さ
んに心から謝意を表します。



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