主査 山田幸生(工技院機械技研) 幹事 石黒 博(筑波大学) 本調査研究分科会(平成3年5月〜6年4月)では,熱工学部門とバイオエン ジニアリング部門が共同して,【熱工学】と【医学・生物学】の学際領域である 【医用・生体熱工学】の研究課題の調査研究を行った。表1は,その活動を通し て,実用面からまとめた研究課題であり,【医用・生体熱工学】は,【熱工学】 にとって新鮮な内容を含んだ<肥沃な土壌>である。その課題は,複雑系である 生体を対象とした,流れ,熱・物質輸送現象にかかわり,現象のスケールは,個 体レベルから,組織,細胞,分子レベルに及び,異なる階層レベル間の連関も重 要である。アプローチとしては,従来の熱工学の手法や知識,さらには,近年, 注目されている分子熱工学的手法が適用される。また,生体の機能やシステムの 熱工学への模倣(熱工学的バイオミメティクス)も大きな可能性を秘めている。 このように,【医用・生体熱工学】は,【熱工学】の関係者が,挙って,耕す ことのできる<肥沃な土壌>である。なお,本分科会の報告書をご希望の方は, 主査 (Fax 0298-58-7291) にご連絡下さい。