RC262

一般社団法人日本機械学会
イノベーションセンター　研究協力事業委員会所属分科会

RC262

1. 分科会名称	『低コスト・低エミッション・低燃費エンジンシステム構築に関する研究分科会』
2. 主査名	小川英之　（北海道大学）
3. 設置期間	2013年4月～2015年3月（2年間）
4. 活動目的・内容	現在のディーゼルエンジンは種々の燃焼および排ガス後処理技術を駆使することにより，厳しい排ガス規制への適合が可能になってきているが，まだコスト面で大きな問題があるほか，燃費低減に対する要求が一層強くなってきており，今後は低コストのエミッション低減技術とともに，燃費改善技術の開発が求められている．その要求に応えるためのディーゼルエンジンの燃焼技術として，熱効率向上と窒素酸化物および排出微粒子の低減のために高過給，高EGR，高圧多段燃料噴射が行われるとともに，熱損失の低減のために低温燃焼の導入も検討され，さらにDPF，SCR等の排出ガス後処理装置を機能させるための燃焼制御が必要とされている．一方，ディーゼル燃焼は，従来の拡散的燃焼を主体とするものから，HCCI燃焼，PCCI燃焼で代表されるいわゆる予混合的燃焼に基づく種々の燃焼法が導入されている．　本研究は，係る背景からRC252を引き継ぎ，その成果をさらに発展させて多岐に渡るディーゼル燃焼の統一的理解を得るとともに，従来のディーゼル燃焼の範疇にとらわれずに低コストで低エミッション・低燃費のエンジンシステムを構築するための現実的最適解を得ることを主眼として検討を進めるものである．
5. 期待される研究成果	熱効率，動力性能，環境性能のいずれも高水準を要求されるディーゼルエンジンにおいては，前述のように高過給，高EGR，高機能燃料噴射技術，低温燃焼などが導入されており，厳しい条件下での燃焼制御が必要となる．また，エンジンの運転条件，エンジンの用途や使用燃料，あるいは排気後処理技術によっても，最適となる燃焼方式の組み合わせが多岐に渡ることとなり，このような燃焼技術の多様化もこれからのディーゼルエンジンの技術的特徴と考えられる．本研究分科会では，近年の技術トレンドである高過給・高EGR率の環境下での燃焼過程の解明に取り組むとともに，高機能燃料噴射系などを駆使した燃焼技術の高度化および最適化の基盤となる燃焼現象の理解および燃焼制御法を熟成することを主目的としており，その成果により実用機関の開発における燃焼系設計のよりどころとなる知識をレベルアップし，技術開発指針の案出による低コスト・低エミッション・低燃費エンジンシステムの構築するための指針が得られることが期待できる．
6. 参加負担金	50万円（年間）×2年
7. 問合せ先	小川英之　北海道大学大学院工学研究院教授　　(主査)　　TEL: 011-706-6434,　FAX: 011-706-7889,　e-mail: h-ogawa@eng.hokudai.ac.jp 　　　　　　　　住所: 〒060-8628　札幌市北区北13条西8丁目