一般社団法人日本機械学会
イノベーションセンター 研究協力事業委員会所属分科会

RC251


 
1. 分科会名称

 『次世代伝動装置のための超高強度歯車の設計,製造,および材料評価技術に関する調査研究分科会

2. 主査名  森脇一郎 (京都工芸繊維大学
3. 設置期間  2011年4月〜2013年3月(2年間)
4. 活動目的・内容

 
 
次世代の伝動装置の有り様は明確ではないが,単位容積あるいは単位重量に対する負荷容量のさらなる増大が望まれるのは確かであり,設計法や材料評価の改善が続けられてきている.その中で,伝動装置の負荷容量を決定する損傷モードでありながら,未解決問題を多く含んでいるため,強度設計で考慮されてこなかったモードが顕在化しつつあり,それへの対処方法の確立が急務となっている.本分科会は,現在の高強度材料の歯車で顕在化してきたモードの損傷を防止して負荷容量を一層高めた歯車,次世代伝動装置のための超高強度歯車,実現のための資料提供を目的とする.そこで,現在使われている歯車強さ設計法では対処できない,接触応力,曲げ・せん断応力の複合する応力状態が関わるこれら損傷モードに対する新しい設計法とこれまでの試験法では正確な評価が難しいこの損傷モードに対する材料の強度や熱処理,表面処理の効果の評価法,ならびにこの損傷に対処した設計の歯車の製造方法に関する調査研究を行う.本研究分科会では産業界と大学の相互交流を基本とし,企業側委員による問題提起と研究者側委員の研究・開発を実施する研究者側委員会と参加企業の代表委員が集う全体分科会を通して以下の調査研究活動を行い,有益な成果の創出を目指す.
(1) 設計法が明確でない損傷モードに対応した新しい材料試験法と強度評価法に関する調査研究
(2) 次世代伝動装置のための超高強度歯車の設計・製造法に関する調査研究
(3) 最新技術情報の収集と分析

5. 期待される研究成果  新たに提案された,回転曲げ疲労試験において試験片にローラを押しつける材料試験法,Contact-Bending-Fatigue Test を取り上げ,試作された試験機を用いて,損傷の発生・進展の実験を行い,高い接触応力で生じた小さな歯面損傷や亀裂が歯の曲げによって進展してフレーキングなどの大規模な歯面損傷や歯の一部が破壊して失われる欠損に至るという損傷モードの再現を目指し,負荷条件等を明らかにする.その結果に基づいて,損傷発生条件や影響因子等について検討し,上述の損傷モードに対する歯車材料の強度や熱処理・表面処理などの効果を評価できる材料強度試験法・評価法の確立が期待できる.
また,RC241 で行った「設計法が明確でない損傷への対処方法の調査研究」の結果を踏まえて,上記の損傷モードに繋がるエッジコンタクトを取り上げ,その応力評価法,発生する応力の影響をマイルドにするための歯先稜,歯元フィレット,および歯幅側端の形状設計法と製造法を調査研究し,超高強度歯車を実現する設計・製造法に関する新たな提案も期待できる.
6. 参加負担金  25万円(年間)×2年 
7. 問合せ先


 森脇一郎 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科機械システム工学部門
  (主査)  TEL: 075-724-7360, FAX: 075-724-7300, e-mail: ichi@mech.kit.ac.jp
        住所: 〒606?8585 京都市左京区松ヶ崎御所海道町


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