社団法人日本機械学会
イノベーションセンター 研究協力事業委員会所属分科会

RC248


 
1. 分科会名称

 『電子実装における信頼性設計と熱制御に関する研究分科会』

2. 主査名  池田徹 (京都大学大学院工学研究科)
3. 設置期間  2010年4月〜2012年3月(2年間)
4. 活動目的・内容


【研究目的】

 システムインパッケージなどに代表される次世代実装技術の開発に伴い,電子実装技術においてはますます高密度化,高集積化,複合化が進んでおり,部品内蔵基板,デバイス内部配線,積層膜,マイクロ接合などの強度信頼性が重要なキーテクノロジーなっていることは周知のとおりです.さらにモバイル機器の増加,カーナビゲーションやハイブリッドカーや電気自動車に代表されるカーエレクトロニクスの発展により,振動,衝撃に対する信頼性確保や,高度な熱制御技術の確立が望まれています.
 以上のような問題を解決するには,大学や公的研究機関の研究者と各企業の技術者が協力して,問題点の抽出とその解決方法の研究を行ってゆくことが望まれます.
このように電子実装の新しい動向に対応した信頼性設計および熱制御手法を確立するために,本研究会を設置し,電子実装における信頼性設計と熱制御に関する基本技術を開発します.

【研究活動の概要】

・高温はんだ材の機械的特性に関する研究
・鉛フリーはんだメッキのウィスカー抑制手法の検討
・衝撃負荷を受けるはんだ接合部の力学評価
・鉛フリーはんだの結晶成長と疲労信頼性評価手法の確立
・界面拡散効果を考慮したマイクロはんだ接合部の信頼性評価手法の確立
・電子デバイスにおけるエレクトロマイグレーション損傷の信頼性評価法の開発
・実用化鉛フリーはんだのマイクロ構造の非線形材料特性データベースの構築
・電子機器構造解析における非線形材料の構成式の簡易計測方法の実用化
・設計者のためのマイクロ接合信頼性評価・設計のデータベースを構築する
・圧電効果を考慮した三次元異種材接合角部の特異性係数解析手法の開発
・SEM-DICMを利用した次世代マイクロ接合部のひずみ測定技術の開発
・統計的手法を用いたシリコン系材料の疲労信頼性評価
・ICを構成する各種界面の強度評価
・パワーデバイスとモジュールの電気・熱・構造・破壊の連成評価と信頼性設計
・薄型樹脂構造の異方性および粘弾性を考慮した材料構成式の実用化
・残留応力による電子デバイスの特性変動評価に関する研究
・X線透視画像を用いた電子パッケージのひずみ計測手法に関する研究
・ナノ金属薄膜の塑性変形に関する研究
・熱設計における解析事例の収集とデータベースの構築
・熱、応力、電気特性の均質モデル化コード(HM-Code)の開発
・電子機器冷却ファン性能の計測方法の確立と解析手法での扱い方の調査研究
・熱設計とCFD解析のための熱流体実験データ取得に関する調査研究
・高密度発熱除去の開発(液体冷却)
・電子機器冷却ファン性能のモデル化に関する調査研究

また,会員企業の若手技術者のレベルアップを目的とした以下のような基礎講習会も実施しする予定である.
・材料力学とはんだの強度評価に関する基礎講習会(2日間)
・界面強度および粘弾性解析に関する基礎講習会(2日間)
・熱制御講習会の実施(2日間)

5. 期待される研究成果 


 工学的効果:本研究分科会を通して以下のような諸問題に関する研究の進展と体系化が期待できる.

(1)はんだ接合部の信頼性設計手法の高精度化
(2)鉛フリーはんだの金属学的性質に関する研究の推進
(3)パワーデバイスとモジュールの電気・熱・構造・破壊の連成評価と信頼性設計
(4)異種材接合界面からのはく離防止設計技術の開発
(5)微細電子実装部のひずみ分布の直接計測手法の開発
(6)応力による電子デバイスの特性変動予測手法の開発
(7)微細電子配線におけるエレクトロマイグレーションの予測手法の開発
(8)電子機器冷却ファン性能の計測方法の確立と解析手法の研究
(9)高密度発熱除去手法の開発  など

 工業的効果:本研究分科会の研究成果は,評価手法,設計手法,ソフトウエアおよびデータベースとして企業側委員に還元され,これらが実際のエレクトロニクス実装現場において広く使用されることが期待される.さらに,一部の成果は,業界団体の企画設定の基礎データとなることが期待される.

6. 参加負担金  50万円(年間)×2年 
7. 問合せ先


 分科会主査:池田徹
  京都大学 大学院工学研究科 機械理工学専攻
  〒606-8501 京都市左京区吉田本町
  TEL:075-753-5215 FAX:075-753-5719 
  E-mail ikeda@mech.kyoto-u.ac.jp
  分科会ホームページ http://www.rc-epack.org/


Home Page

All Rights Reserved, Copyright (C) 2010, The Japan Society of Mechanical Engineers.