モバイル機器やカーエレクトロニクスなどの目覚ましい発展に伴い,より高密度で高い信頼性を有する実装技術の実現が望まれている.このために,高密度積層基板,部品内蔵基板,接着接合,Low-k膜などの信頼性設計技術が重要なキーテクノロジーとして認識されつつある.また,デバイスの小型化と高密度化は発熱密度の増大を引き起こしており,革新的な熱制御技術の開発が望まれている.一方,環境意識の高まりにより,電子実装に使用される材料もさまざまな規制を受けるようになっている.これらの規制に対応した材料の信頼性設計手法を確立することも急務である.
以上のような問題を解決するには,大学や公的研究機関の研究者と各企業の技術者が協力して,問題点の抽出とその解決方法の研究を行ってゆくことが望まれる.
このように電子実装の新しい動向に対応した信頼性設計および熱制御手法を確立するために,本研究会を設置し,高密度エレクトロニクス実装における信頼性設計と熱制御に関する基本技術を開発する.
以上が本研究分科会の設置目的である.
そして,上記目的を達成するため,本研究分科会においては次のような具体的な内容を実施することを計画している.
【上期 第1年度(2008年4月〜2009年3月)】
(1) 鉛フリーはんだ接合部の疲労信頼性の高精度化に関する研究
(2) CSP、LGAおよび新しい3次元実装のはんだ接合部の疲労信頼性のデータベースの
検討
(3) リフロー・フロープロセスのシミュレーション技術の検討
(4) リフロープロセスにおける実装部品の反り評価の高精度化に関する研究
(5) 鉛フリーメッキにおけるウィスカー発生のメカニズムに関する研究
(6) マイクロはんだ接合部の材料特性の計測技術に関する研究
(7) 異方性異種材接合角部の特異性係数解析手法の開発
(8) 三次元異種材接合角部の特異性係数解析手法の開発
(9) 残留応力による電子デバイスの特性変動に関する研究
(10)微細電子配線におけるエレクトロマイグレーションの推定手法の開発
(11)微細配線のひずみ分布のIn-Situ
観察手法の開発
(12)ビルトアップアプローチによる熱設計の応用に関する調査研究
(13)電子機器冷却ファン性能の計測方法の確立と解析手法での扱い方の調査研究
(14)熱設計とCFD解析のための熱流体実験データ取得に関する調査研究
(15)研究者側委員による会員のためのはんだ強度および界面強度講習会の実施
【下期 第2年度(2009年4月〜2010年3月)】
(1) 鉛フリーはんだ接合部の疲労信頼性評価の高精度化と実用化に関する研究
(2) CSP、LGAおよび新しい3次元実装のはんだ接合部の疲労信頼性のデータベース
の構築
(3) リフロー・フロープロセスのシミュレーション技術の確立
(4) リフロープロセスにおける実装部品の反り評価の高精度化と実証に関する研究
(5) 鉛フリーメッキにおけるウィスカー発生の定量評価に関する研究
(6) 高温接合材料の疲労信頼性に関する検討
(7) パワーデバイスの信頼性解析に関する研究
(8) 三次元異方性異種材接合角部の特異性係数解析手法の開発
(9) 残留応力による高周波電子デバイスの特性変動に関する研究
(10)ビルトアップアプローチによる熱設計の応用に関する調査研究
(11)熱設計における解析事例の収集とデータベースの構築
(12)電子機器冷却ファン性能のモデル化に関する調査研究
(13)研究者側委員による会員のための熱講習会の実施
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